1826年の調査報告
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一世代後の1826年に、パリ王立医学アカデミーは多数決によって別の調査委員会を立ち上げ、メスメリズムの効果と臨床的可能性を研究した。ただし、メスメルが提唱した磁気流体の存在証明を確立しようとはしなかった。その報告書には以下のような文言がある。 我々が実験の過程で観察したものは1784年の報告書におけるマグネタイザーたちに関して述べられたこととまったく類似性がない。我々は流体の存在を認めることも、否定することもしない。なぜなら、我々はその事実を検証していないためである。我々は「baquet」とは言わないし(中略)大勢の人々の前で彼らを証人として磁気化されたとも言わない、なぜなら我々の実験はすべて最も完璧な静寂の中で行われ、常に一度につき一人だけに行なったからである。我々は「crisis」という言葉も口にしない。 — Isis Revelata, Volume2 p. 199 結論部ではこう述べられている。 磁気は性別や年齢を問わず、様々な人に影響を与える。... 一般的には健康の健全な人には作用しない。... また、すべての病人に作用するわけでもない。... 我々がこのような状態が存在すると確信を持って結論づけることができるのは、いわゆる透視や直感、内的予知と呼ばれる新しい能力の発現が見られた時であり、あるいは無感覚、突然の大幅な力の増加など、身体的特徴にも大きな変化が見られた場合、そしてこれらが他の理由で説明できないからである。... 我々は磁気化作用だけではなく、被験者を完全な夢遊病状態にして、彼を無意識の内に、彼の視野の外で一定の距離で、間にドアがある場合でも、そこから連れ出すことさえできた。... 我々が観察した夢遊病者の多くは、完全に無感覚であった(中略)皮膚を摘んで傷跡を残したり、爪の下をピンで刺したりしても、痛みを感じず、本人も気づかないほどであった。最後に外科手術の中でも最も痛みを伴うものを施したが、それも無感覚であり、表情、脈拍、呼吸にわずかな感情の揺れも現れないケースもあった。... 磁気は6インチでも6フィートの距離でも、同等に強く、迅速に感じられ、発生する現象はどちらの場合でも同じである。磁気は医学の領域において許可されるべきである... — Isis Revelata, Volume2 pp. 283-293
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