魚雷投射ヘリコプター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 03:42 UTC 版)
「艦載ヘリコプター」の記事における「魚雷投射ヘリコプター」の解説
一方、捜索は艦のソナーに任せて、ヘリコプターは攻撃に注力するならば小型の機体でも十分であり、これなら艦載機としても搭載可能であることが注目されるようになった。1956年12月、イギリス海軍では、15型フリゲート「グレンヴィル」の艦尾甲板にヘリコプター甲板を仮設し、フェアリー ウルトラライト・ヘリコプターの運用試験に供された。アメリカ海軍もこれに続き、1957年2月、フリゲート「ミッチャー」の船尾甲板で有人のHUL-1(ベル47)の発着演習が行われたのに続き、6隻の駆逐艦で同様の実験が行われ、小型航空機の艦載化についてのデータが蓄積された。1959年6月には、フレッチャー級駆逐艦「ヘイゼルウッド」の3・4番砲塔を撤去して、21.0×7.2メートルのヘリコプター甲板と、10.4×7.3×3.7メートル大の格納庫が設置された。 これらの試みを経て、イギリス海軍は有人のウェストランド ワスプを用いた中距離魚雷投射ヘリコプター(MATCH)として配備したのに対し、アメリカ海軍は無人ヘリコプターを用いたQH-50 DASHを配備したが、後に有人機を用いた軽空中多目的システム(LAMPS)に転換し、1971年よりSH-2Dを配備した。こちらは攻撃単能機ではなく、ソノブイの敷設など母艦を補完しての対潜捜索能力をも備えているほか、小型対艦ミサイルを搭載して対水上艦戦闘を行う能力も有している。フランス海軍も、1962年就役の「ラ・ガリソニエール」(T-56型)で護衛艦でのヘリコプター運用に着手し、当初はアルエットIIを搭載し、後にアルエットIIIに更新した。またイタリア海軍でも、同年就役のカルロ・ベルガミーニ級フリゲートではAB-204ASを搭載した。 ソ連海軍も、1948年の航空ショーで展示されていた空軍のKa-8の視察を通じてヘリコプターに興味を抱き、1950年12月には軽巡洋艦「マクシム・ゴーリキー」にKa-10(英語版)が試験着艦を行なった。そして1958年より、カニン型駆逐艦の搭載機としてKa-15が運用を開始した。またその後、初の本格的な艦載ヘリコプターとしてKa-25が開発され、1961年に初飛行し、1962年よりカシン型駆逐艦に搭載されて配備された。
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