駅構内改良工事
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2012年度(平成24年度)まで、北海道・東北方面への輸送力を増強する目的で「隅田川駅鉄道貨物輸送力増強事業」が実施された。総工費は約46億円で、国の「幹線鉄道等活性化事業費補助」の枠組みにより総工費の30 パーセントの13億8000万円が国庫から補助されている。事業主体は第3セクターの京葉臨海鉄道で、JR貨物は施設を借り受けて利用する枠組みとなっている。 もともと隅田川駅は青函連絡船の輸送能力に合わせてコンテナ車18両に対応する規格で設計されていたが、現在の東北本線のコンテナ列車は最大20両編成となっているため、これに合わせる形での改良を実施した。改良以前において、20両編成に対応しているのは荷役線のうち3線、着発線のうち4線だけであったが、荷役線・プラットホームの4面6線を40 - 50 メートル延長し、第1ホームの短い1線を除く5面9線全てが20両編成対応となった。また着発線は従来の8線から7線に削減されたが、このうち6線が20両編成対応となった。各コンテナホームは一部拡幅して31フィートの大型コンテナの取り扱いが全てのホームで可能になった。 隅田川駅と田端信号場駅の間は単線であり、田端運転所との間での機関車の回送列車が線路容量を圧迫していた。このため構内改良事業では機関車の留置機能も整備することとなり、第6ホーム・田端信号場寄りに設置されている構内本部と信号扱所の建物を撤去して跡地に機関車の留置線を設置した。有効長の短い第5ホームは廃止し、跡地に機関車の仕業検査庫や留置線、フォークリフトの検修庫等を設置した。更に、車扱荷役用高床ホーム(陸1ホーム)を撤去して総合事務所を建設し、機関区・駅構内本部・信号扱所を設置した。 機関区施設の整備に伴い、従前から設置されていた隅田川貨車区に加えて、田端機関区の機能と田端運転所の貨物関係業務を移転し、隅田川機関区とした。 これらの改良により、輸送力は年間22万トンの増強が見込まれている。2013年(平成25年)3月16日のダイヤ改正より供用を開始した。
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