駅構内作業計画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/26 14:09 UTC 版)
分岐器を使用して列車の折り返しや待避・交換、路線の分岐などを行う駅では、ある地点や番線について他の列車が通過できない平面交差支障が発生する。定められたダイヤ上において、列車および車両相互が競合しないよう支障を避けた形で駅構内の作業計画が作成される。 図1に、単線の途中駅から支線が分岐する駅の例を示す。このような配線の駅で1番線に到着した列車の編成を側線に留置したい場合、引上線を介して側線に入れ換えることになる。このとき1番線から引上線への入換は本線に支障を来すため、本線を運行する列車と競合しないよう時刻を設定する必要がある。 図2にこの入換作業の様子を表した構内作業ダイヤの例を示す。これは縦方向に駅構内の各番線を、横方向に時間を取ったもので、資源と時間の関係を表すガントチャートの一種となっている。番線を示す横線の上に描かれた長方形が編成の在線時間を、長方形の頂点から延びる線が発着を表す。線が長方形相互を結んでいるものは番線間の入換を意味している。 図2では、本線の列車が2番線と3番線を使って交換している間に1番線から引き上げ線への入換を行っているため、このタイミングがずれると本線列車の運行に影響することになる。この例では単純な側線への入換のみ示しているが、多くの番線を有する駅では入換に際して複雑な支障関係があり、入換の計画が適切でなければ列車ダイヤを計画通りに実行することができない。特に車両の清掃や増解結、機関車牽引列車の機回しといった作業を行う場合などは、考慮すべきことがより複雑になる。 また貨物駅では一般に到着した貨物列車から貨車を荷役線へ入れ換えるが、こうした作業計画を行うのも構内作業計画の一環である。入換が不要な着発線荷役方式を利用する場合でも、他の列車の着発や機関車の入換との支障を考慮するため構内作業計画は必要となる。
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