食道の構造と機能とは? わかりやすく解説

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食道の構造と機能

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 19:32 UTC 版)

食道」の記事における「食道の構造と機能」の解説

ヒト食道は、成人2530 cm前後長さがあり、口から飲み込まれ食道入った物は、液体状の物は数秒程度で、固体状の物でも狭窄部にひっかかるようなことが無ければ数十秒もあれば食道通過して胃へと送り込まれるヒト食道は、頸部(第6頸椎)で喉頭の後ろ側で始まり胸部では気管支大動脈弓などの後ろ通り横隔膜食道裂孔)を突き抜けて腹部に至る。横隔膜の下(第11胸椎)で胃の噴門とつながる。食道には3箇所生理的狭窄部がある。咽頭との接合部気管支の後ろを通る部位、そして横隔膜抜け部位で、食物がよく詰まるのはこれらの箇所である。また、噴門付近(胃との接続部分)と共に、この3箇所狭窄部は、食道癌好発部位として知られる。なお、このようにヒトには3箇所生理的な狭窄部が存在するものの、これらのうち1箇所目の食道入口部と3箇所目の横隔膜食道裂孔による狭窄部は特に狭くて常に狭くなっているのに対して、2箇所目の大動脈弓気管支の影響狭くなっている部分は他の2箇所比べるそれほど狭くなくて狭さある程度可変である。 食道の壁は、内腔側から粘膜筋層外膜(重層扁平上皮粘膜固有層粘膜筋板粘膜下層固有筋層外膜)と分けることができる。粘膜は、口で咀嚼されたとはいえ、まだ形を保ったままの食物通過することで傷つかないように、力学的に強い重層扁平上皮構成されている。粘膜のすぐ下層にある多数食道腺粘膜表面粘液分泌することで、食物通りよくするはたらきがある。筋層2層構造をしており、内側の筋は輪走筋、外側の筋は縦走筋相当するが、長軸方向に対して筋線維は垂直/平行ではなくいずれも斜行している。これらが順に収縮することで食物を胃に送り出すような動きをする。これを蠕動運動という。また、他の消化器官異な特徴として、口に近い側の上食道の筋は横紋筋構成されているという点がある。なお、胃に近い側の下部食道の筋は他の消化器官同様、平滑筋構成されている。ただし、ラットなどの他の哺乳類には、全長渡って横紋筋構成されているものもいる。これらの筋は、自律神経働き無意識下で収縮運動が起こる。「喉元過ぎて熱さ忘れる」の言葉どおり、食道の粘膜感覚はあまり鋭敏ではない。なお、ヒト食道の普段pHは5から6程度である。 食道は、胃食道逆流症食道癌大量に出血する可能性のある食道静脈瘤マロリー・ワイス症候群狭窄、および運動障害影響を受ける可能性がある。これらの疾患は、嚥下障害嚥下痛、胸痛引き起こすが、まったく症状引き起こさない場合もある。臨床検査には、硫酸バリウム服用して行う消化管造影検査内視鏡検査、およびCTスキャン含まれる食道への外科的なアクセスは困難である。

※この「食道の構造と機能」の解説は、「食道」の解説の一部です。
「食道の構造と機能」を含む「食道」の記事については、「食道」の概要を参照ください。

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