電波による電信
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 05:05 UTC 版)
詳細は「en:Invention of radio」を参照 マルコーニ社(英語版)の送信機(中央)と受信機(下)を検査する英国郵政省の技術者(1897年5月、フラットホルム(英語版)) 20世紀初頭の典型的な商用無線電信受信機。サイフォンレコーダー(英語版)(左)によってモールス符号の短点と長点が紙テープにインクで記録された。 1887年にハインリヒ・ヘルツにより電波の存在が証明された。1894年から数年にわたり、イタリアの発明家グリエルモ・マルコーニは、新しく発見された電波を通信に応用することに取り組み、単なる基礎的な物理現象を有用な通信システムに変え、それを使った初の無線電信システムを構築した。イギリスのプリースとGPOは当初、1896年からソールズベリー平原(英語版)で行われたマルコーニの実験を支持し、資金援助を行った。プリースは自身の無線誘導の実験を通して、マルコーニのアイデアに納得した。しかし、マルコーニが無線電信信号会社(Wireless Telegraph & Signal Company、後のマルコーニ社(英語版))を設立した時に、支援は取り下げられた。GPOの弁護士は、このシステムは電信法(英語版)で規定する電信であり、従ってGPOの独占権に該当すると判断した。しかし、マルコーニに対して差し止め等の措置は取られていない:243–244。1901年にマルコーニが大西洋を横断する無線電信の通信に成功した後、このシステムは船から陸上への通信、船から船への通信などの通常の通信に使用され始めた。 このシステムの開発により、「無線電信」(wireless telegraphy)は電波を使用した電信(radiotelegraphy)のことを意味するようになり、モールス符号は電波によって送信されるものとなった。最初の無線送信機である原始的な火花送信機は、第一次世界大戦まで使われていたが、音声を送信することはできなかった。オペレータは、電鍵を操作して送信機の電源をオン・オフし、短点(トン)と長点(ツー)の電波のパルスによってモールス符号を送り、文章を伝達していた。受信側では、信号は可聴音に変換され、オペレータはコードを文章に変換する。当初は「ヘルツ波」(Hertzian waves)と呼ばれていたものは1910年までに「電波」(radio)と呼ばれるようになった。
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