電池電位法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/15 09:26 UTC 版)
電池電位法は濃淡電池の起電力から輸率を測定する方法である。例えば電極反応 M ⟶ M + + e − {\displaystyle {\rm {M\longrightarrow M^{+}+e^{-}}}} が起こる金属電極MとM+を含む塩M+X-を用いて濃淡電池M|M+X-(A)|M+X-(B)|Mを作ったとすると、この電池の起電力Eは E = − R T F log a M A + a M B + + Δ Φ {\displaystyle E=-{\frac {RT}{F}}\log {\frac {a_{M_{A}^{+}}}{a_{M_{B}^{+}}}}+\Delta \Phi } Rは気体定数、Tは絶対温度、Fはファラデー定数、aM+AとaM+BはそれぞれA相、B相のM+の活量、ΔΦはA相に対するB相の電位、すなわち液間電位である。 液間電位は Δ Φ = − R T F ( t M log a M B + a M A + − t X log a X B − a X A − ) {\displaystyle \Delta \Phi =-{\frac {RT}{F}}\left(t_{M}\log {\frac {a_{M_{B}^{+}}}{a_{M_{A}^{+}}}}-t_{X}\log {\frac {a_{X_{B}^{-}}}{a_{X_{A}^{-}}}}\right)} と表され輸率の値を含む。A相とB相の電解質の活量と液間電位の値が分かれば輸率を計算することが可能である。濃淡電池でない2つの電池、M|M+X-(A)|SおよびM|M+X-(B)|Sの起電力を測定し(Sは標準電極)、それらの差をとるとこれは上のEを表す式の液間電位以外の部分に等しい。したがってその値と濃淡電池の起電力の差が液間電位となる。そこでこの方法で輸率を計算することができる。
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