電波の入射、吸収、反射
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 09:27 UTC 版)
電波は電離層に入射すると、電離層により吸収、屈折、反射される。それぞれの割合は、電離層の電子密度、電波の周波数、電波の入射角に依存する。電波の入射角が全反射の条件を満たすと入射したエネルギーが吸収も屈折もされることなく、すべて反射されることがある。これは空気から水に入った光が吸収されたり反射したり屈折したりする現象とほぼ同様である。電離層が電波を反射する条件が整った場合、地上からやってきた電波が電離層に入射すると、今まで通ってきた空気中よりも電子の数が急激に増すため、電波はそのスピードを失う。最終的に電波は電離層に反射させられ、再び地上に戻ってくる。電離層への入射角により、電波の一部は電離層により吸収されたり、屈折して宇宙空間に伝わったり、反射されたりする。 電波が電離層を透過する際に受ける減衰を第一種減衰、電離層を反射する際に受ける減衰を第二種減衰という。反射による減衰が急激に増加する周波数を最高使用周波数 (MUF) といい、短波ではその85%の周波数を最適使用周波数 (FOT) としている。最適使用周波数では電離層反射を最も効率的に利用でき、遠距離通信に適しているが、コンディションが変化して最高使用周波数が低下すると、突然電離層反射が利用できなくなることも起こり得る。
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