電工ナイフ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 14:58 UTC 版)
電線など線材加工用の鉈に似た形状で刃が厚めのナイフ。電気工事が行われる電柱上や配電盤内など身動きしづらい状況に合わせ、工具ベルト(安全帯・胴綱)へ安全・コンパクトに収納できる、また被覆剥き作業に特化して突き刺し機能を持たない、折りたたみ式のナイフを指した。主に電気工事士用としてこの名があり、資格試験に取り扱い方法が出題されることもあった。近年は作業効率から折りたたみ機構を廃し、汎用性から切っ先も持った、工具ベルトに吊るせるプラスチック製の鞘とセットになった製品が普及している。 線材加工では刃の中央から手元寄りを主に使い、充分な硬度と芯線を傷つけない適度な切れ味が望まれる。このため刃付けは両刃で刃角は大きめ、炭素鋼が多く使われる。柄は木や鹿角が使われたが、現在はほとんどがプラスチック製である。また、前述のように高所や狭い場所の作業に合わせ、脱落防止用にロック機構付きの鞘や、ストラップ用の紐穴を備える。 なお、弱電用途の線材(通信・映像・音響用ケーブルなど)は被覆が柔らかく芯線も柔軟なので、ワイヤーストリッパーが主に用いられる。電源用ケーブルでも低圧・器具用程度ならカッターナイフでも代用可能だが、配電用や高圧用のケーブルでは被覆が硬く、専用工具か電工ナイフが必要である。 グローブの使用を前提としており通常は絶縁性を持たないため感電リスクがある。絶縁性を持つ製品もあるが専ら特殊用途である。
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