雲母 (雑誌)とは? わかりやすく解説

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雲母 (雑誌)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/20 06:42 UTC 版)

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飯田蛇笏

雲母」(うんも)は、日本の俳誌。飯田蛇笏(いいだ だこつ)、およびその息子の飯田龍太が主宰した。

飯田蛇笏(1885年 - 1962年)は山梨県東八代郡五成村(現在の笛吹市境川町小黒坂)の農家に生まれ、1905年(明治38年)に早稲田大学に入学すると若山牧水らと知り合い、投句を行う。1909年(明治42年)に大学を卒業すると帰郷し、稼業を行いつつ山梨県を拠点に俳句活動を継続した。

1915年(大正5年)5月、愛知県にて円山恵正の編集発行により「キラヽ」として創刊。同年6月の第2号より飯田蛇笏を選者に迎え、それ以前に蛇笏が選をしていた九州の「火の国吟社」の人々が合流し活況を帯びる。当時の「キラヽ」には西島麦南などの有力俳人が参加した[1]。1917年11月より蛇笏の主宰誌となり、12月に「雲母」に改称。当初は「雲母」で「きらら」の読みであった[2]

1925年(大正14年)、発行所を山梨県甲府市に移し、1926年(大正15年)9月には経理部を山梨県中巨摩郡大鎌田村(現在の甲府市高室町)の高室呉龍宅に移転する。1930年(昭和5年)12月より境川村の蛇笏宅「山盧(さんろ)」が発行所となった。

1945年7月6日に印刷所が甲府空襲で被災したことにより休刊、戦後の1946年3月号より復刊する。発行所は東京の石原舟月宅に移るが、1950年4・5月号よりふたたび蛇笏邸が発行所となった[1]。1960年4月号より飯田龍太選の「作品」欄を新設。蛇笏は戦後も『雲母』の発行や各地での句会を行っていたが、同年10月に死去する。蛇笏の子息は多くが病死・戦死しており、生き残った四男の龍太が主宰を継承する[2]。1992年8月、蛇笏の没後30周年を期に900号で廃刊。主宰が存命中に自らの意志で主宰誌を廃刊したことで、世襲制を常とする俳句結社の在りかたに一石を投じた[1]。龍太は2007年(平成19年)に死去する。

『雲母』は個々人の生活・人生を背景としつつ、自然の持つ奥深い季節感を表現する俳句が特色であった[1]。廃刊の翌年には、廣瀬直人により後継誌として「白露」が創刊、俳壇有数の結社となっていたが[3]、2012年に主宰の廣瀬が病に倒れたため廃刊。2013年、「雲母」「白露」のさらなる後継誌として、井上康明が「郭公」を創刊した。

主な参加者

括弧内は各自の主宰誌・同人代表誌を示す。退会者なども含む。

関連人物

出典

  1. ^ a b c d 福田甲子雄 「雲母」 『現代俳句大事典』普及版、三省堂、2008年、84頁
  2. ^ a b 阿部誠文 「雲母」 『現代俳句ハンドブック』 雄山閣、1995年、132頁
  3. ^ 友岡子郷 「白露」 『現代俳句大事典』普及版、三省堂、2008年、439頁

「雲母 (雑誌)」の例文・使い方・用例・文例



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