友岡子郷とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 人名 > 作家 > 歌人 > 歌人 > 友岡子郷の意味・解説 

友岡子郷

友岡子郷の俳句

ある日幹に白糸曳いて兜虫
つばめ去る空も磧も展けつつ
つばめ巣にもどと夕潮真白に
やまなみの一つ岩山歳の市
ゐのこづちいづこに居ても一落暉
デッキに吾子この赫日は夏の某
ヒロシマ忌水にきらめく鮠を見て
一燕ものこさずに去り鍛冶の町
倒・裂・破・崩・礫の街寒雀
八月広島もちの木はふと暗し
冬の日の蠟石あそび船来るまで
凍てゆるむ脚の繃帯解くやうに
刈田星かぶりて雷児忌はいつぞ
十二月潮路晶々たるを見て
古毛絲玉日当るは楢林
地虫鳴く先まつくらに潮谺
外の海の痩せ島なれどつばくらめ
夜の山路より白息の二人ほど
家見えてふいの火明り栗林
小米雪こころのかよふまで漁師と
巣立鳥笹原は風くりかへす
帰らむに藺田の稲妻つづくなり
幼き問ひと涼風に噎ぶ日ぞ
捕虫網会場の星吹かれ澄み
春の村風のはざまの直炎
春の鹿水のひびきの木の間より
春萱に氷ノ山その氷のひかり
春風の壁ひとの名か船の名か
木場泊り蕾の百合の一束と
枇杷青しうしろに廻す帯の総
林檎箱とどきて三日海も平ら
橋も雫し雨つばめ鳴き移り
汐まねき夕日の家路はるかかな
浜靱耳しんしんと沖はあり
深山より継ぎ来し水に木の実浮く
潅仏に青潮さはりなくながれ
潮迅しと葉牡丹の畑より
父に肖るはさびしからねど青嶺聳つ
父の寂しさ水なきプールの鉄梯も
男ごころの騒立つ潮路春の北風
癒えたれば白地図一枚の涼しさ
白き凧韻きて真夜に覚めしなり
白州三人踊りの櫓ひそと組む
白雨過ぐ樹の爪あとは山の鳥
皓として臥すのみの父野分中
石屋より鏗と音花ふぶくなり
石臼干す帰燕のあとのがらあきに
秋彼岸麓の馬の紺に見ゆ
空とぶ花いくたりも辛子に噎び
空席があり冬山の紺の襞
 

友岡子郷

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/13 09:48 UTC 版)

友岡 子郷(ともおか しきょう、1934年9月1日 - 2022年8月19日)は、兵庫県出身の俳人。本名は清。

経歴

神戸市灘区生まれ。兵庫県立神戸高等学校を経て、甲南大学文学部卒業。大学在学中、高浜虚子の「ホトトギス」、波多野爽波の「青」に投句。1957年「椰子会」を結成。1958年より「青」編集。1968年、「青」を辞し「雲母」入会、飯田龍太に師事。同誌同人。同人誌「椰子」創刊。1991年、椰子会代表。1992年、「柚」創刊に参加。1993年、廣瀬直人の「白露」創刊に参加。1998年「椰子」終刊。2012年「椰子会」解散。

1977年、第1回雲母選賞、1978年、第25回現代俳句協会賞、2006年、『雲の賦』で第6回俳句四季大賞、2009年、『友岡子郷俳句集成』で第24回詩歌文学館賞、2013年、『黙礼』で第5回小野市詩歌文学賞受賞、2018年、『海の音』で第52回蛇笏賞受賞。ほかに第6回四誌連合会賞を受賞している。

代表句に「跳箱の突き手一瞬冬が来る」(『日の径』所収)。若々しくしなやかな叙情を特徴とする。

2022年8月19日、老衰のため神戸市灘区の高齢者施設で死去[1]。87歳没。

著書

句集

  • 『遠方』
  • 『日の径』
  • 『未草』
  • 『春隣』
  • 『風日』
  • 『翌』
  • 『葉風夕風』
  • 『雲の賦』
  • 『黙礼』
  • 『海の音』
  • 『貝風鈴』

全句集

  • 『友岡子郷俳句集成』
『遠方』から『雲の賦』までを収めるとともに、「初期作品・三十句抄」「『雲の賦』以後」を収める。

その他

  • 『飯田龍太鑑賞ノート』
  • 『天眞のことば』

関連文献

参考文献

  • 『現代俳句大事典』 三省堂、2005年
  • 友岡子郷 『黙礼』 沖積舎、2012年

脚注

  1. ^ “俳人 友岡子郷氏死去”. 神戸新聞NEXT. (2022年11月17日). https://www.kobe-np.co.jp/news/culture/202211/0015816802.shtml 2022年11月17日閲覧。 

外部リンク




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「友岡子郷」の関連用語

友岡子郷のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



友岡子郷のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
現代俳句協会現代俳句協会
Copyright(C) 現代俳句協会
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの友岡子郷 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS