西島麦南とは? わかりやすく解説

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西島麦南

西島麦南の俳句

あきつとぶひかり薄れつ夕鳴子
あさあさと日の漣や蝌蚪の水
あたゝかき雨夜の雛を納めけり
いざよひの薄雲情あるごとく
しづかなる男の怒り扇置く
しろじろと洗ひざらしぬ夏の足袋
そくばくの余命を惜しみ寒灸
ちぬ釣に虹立つ涛のしづまりぬ
つゆくさの瑠璃はみこぼす耕馬かな
とり出でて花散る黐に蚊帳を干す
ひたひたと担ひこぼしぬ寒の水
よみかきの灯ともす?のなごりかな
ユッカ咲く庭芝広く刈られけり
一壺酒に仲秋無月なるもよし
乞食に似て面白しあきの風
五月の日眩しとなみだ溢るるか
人に似てかなしき猿を回しけり
人影す堆の初霜あたたかに
今年藁みどりほのかに新娶り
仲秋や母に明るき仏の灯
余花の蝶しばらく波にあそびけり
佝僂の子の帯うつくしき手毬かな
働かぬ手にいただくや雑煮箸
冬の蝶睦む影なくしづみけり
冬の蠅やがてはとづる眼もて追ふ
初山のけふも人焼く遠けむり
卯月野のほとけの親にあひに来し
向日葵の秋日の蕊となりにけり
咲きのぼる秋暑の胡麻に烏蝶
地に落ちて柿栗青し土用東風
夏風や昼寝さめたる刺青師
夕ごころはなやぎ迎ふ二星かな
夕霧や地にしづまりし麦の種
夕風にしはぶき拾ふ落穂かな
大いなる春の火桶にもたれけり
寒凪の落木もろく踏まれけり
寒卵産む鶏孤つ飼はれけり
寒灯や身に古る月日あきらかに
寒見舞したたむ墨のかんばしき
寒釣りの莨火ともす孤影かな
少女倚る幹かゞやかに百日紅
山の墓香煙雲のごとき秋
山廬忌の秋は竹伐るこだまより
山深く睦月の仏送りけり
山茶花の日和に翳のあるごとく
山風にもまるゝ影や鳥おどし
待宵の四山霧ふかき外厠
掃きとりて花屑かろき秋うちは
新涼の剃刀触るゝ頬たかく
既知未知の人生燈火親しけれ
 

西島麦南

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/15 02:23 UTC 版)

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西島 麦南(にしじま ばくなん、1895年1月10日 - 1981年10月11日)は、熊本県出身の俳人校正者。本名・西島九州男(にしじま くすお)。

生涯

熊本県鹿本郡植木町(現・熊本市北区植木町)生まれ。済々黌卒業[1]1915年、雑誌「雲母」の前身「キラヽ」に参加。1916年、上京し、出版社の警眼社に入社。1918年、武者小路実篤の「新しき村」に参加し、3年ほど農耕に従事。1922年12月、上京し、大鐙閣などを経て、1924年、岩波書店に入社する。戦後は校正課の初代課長を務め、55歳の停年後も特別嘱託として勤務し、1970年に75歳で退職するまで校正実務を担当し、「校正の神様」とたたえられた。

俳句は飯田蛇笏に師事。俳壇的成功には無欲で、自ら「生涯山廬門弟子」と称し、蛇笏の没後も飯田龍太を助け「雲母」一筋の俳人として活動。蛇笏の好みを受け継ぎ格の高い句を作った。 1965年第4回文化人間賞(東京作家クラブ主催)受賞。句集に『金剛纂』『人音』『西島麦南全句集』がある。

著書

  • 『金剛纂』(三省堂、1940年)
  • 『人音』(甲鳥書林、1941年)
  • 『校正技術』(日本エディタースクール、1972年、監修)
  • 『校正夜話』(日本エディタースクール、1982年)
  • 『西島麦南全句集』(西島麦南全句集刊行会、1983年)

出典

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  1. ^ 熊本日日新聞社編纂・発行 『熊本県大百科辞典』、1982年、625頁

参考文献

  • 『現代俳句大事典』 三省堂 2005年
  • コトバンク 2015年3月閲。
  • 『校正夜話』(編集後記に略歴、主要な仕事などが記載されている)

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