雌雄鑑別法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 15:20 UTC 版)
「ニワトリのヒナの雌雄鑑別」の記事における「雌雄鑑別法」の解説
主に羽毛または総排泄口による2つの鑑別法がある。 羽毛による雌雄鑑別(羽毛鑑別・羽性鑑別) 伴性遺伝を利用し、羽の伸びる速度の異なる雌雄を交配して、ヒナの雌雄の羽の伸び方の違いにより鑑別する方法。多くのコマーシャル鶏がこの鑑別法で分けられている。 速羽性のオス親と遅羽性のメス親から生まれるヒナは、オスの羽(翼)は遅羽性により端がそろっているのが多い。メスのヒナは速羽性により端がそろっていなく、下の羽が長い。上の羽が長い場合は、オスである。 体色による雌雄鑑別(羽色鑑別) 伴性遺伝を利用し、羽色の異なる雌雄を交配して、ヒナの雌雄の羽色の違いにより鑑別する方法。茶色の鶏の多くはヒヨコの時点で色が付いている。オスは黄色でメスは茶色。背にラインの入っている茶色の種類はオスが3本メスは2本である。 羽毛、体色のいずれも鑑別師が鑑別しているところは少ない。素人でも何度か指導を受ければできるからである。 総排泄口による雌雄鑑別(肛門鑑別法) 総排泄口による雌雄鑑別は容易ではない。鳥の生殖器官は体内に位置し、プロの総排泄口鑑別師は、まずヒナの肛門をわずかに開ける技術を習得した上で、ヒナの生殖器官の雌雄の違いにより、どれがオスでどれがメスなのかの区別をする。この雌雄判別は非常に熟練の必要な難しい仕事で、プロの鑑別師の多くはその技術の発祥元の日本出身である。総排泄口鑑別は1924年の増井清、橋本重郎、大野勇による生殖に関する論文で日本で発表され、それはすぐにSexing baby chicksという題名で英訳されて西洋に紹介された。増井と橋本の発見の後、興味を持った養鶏家達はその技術を習った人々を招きいれたり、その技術を学ぶために代表を日本へ送った。その技術は複雑で、パターン認識が成功の鍵となる、チェスやその他の仕事・ゲームに喩えられた。 ヒヨコ性別鑑定機 1950年代に、初生ヒナの総排泄口を照らして拡大鏡で見る数種の機械が発明され、この機械を用いてヒヨコの性別を見ることが可能となった。だが鑑別に時間がかかることや、ヒヨコへの負担が大きいことが難点とされた。この機械を製造したのは2つの業者だけだったが、ともにこの事業から撤退して、この方法は廃れた。 第二次性徴 伴性遺伝を利用した交配を行わず、雌雄鑑別師も雇うことのできない小さな養鶏場の経営者は、性別がわかるようになる4 - 6週齢まで待たなければならない。その時期になると、第二次性徴が出始めるために、だれもが鶏の性別を区別できるようになる。 機械学習 機械学習によって鑑別する手法が開発中だが、まだ精度が不十分で実用化には至っていない。 染色体マーカー法 孵化前に染色体を調べる手法の開発が進められる。
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