阿寒湖特別とは? わかりやすく解説

阿寒湖特別

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/17 03:46 UTC 版)

阿寒湖特別
主催者 日本中央競馬会
競馬場 札幌競馬場
創設 1980年
距離 芝2600m
格付け 2勝クラス
賞金 1着賞金1500万円
出走条件 サラブレッド系3歳以上(特指)(混合)
負担重量 定量
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阿寒湖特別(あかんことくべつ)とは日本中央競馬会 (JRA) が札幌競馬場で施行している、中央競馬競走のひとつである。競走名の「阿寒湖」とは北海道東部の阿寒摩周国立公園内にあるのことである[1]

概要

2019年時点での施行条件は3歳以上2勝クラス[2]という、重賞ではない特別競走に過ぎないが、ステイゴールドが3歳(旧表記4歳)時の1997年に本競走(当時は900万円以下条件)で3勝目を挙げた後、2000年目黒記念で優勝するまで勝利がなかったため、その間に出走した28レース(26の重賞競走を含む)で「おもな勝ち鞍:阿寒湖特別」と表記され続けたため話題となったことがある。

本競走を優勝した3歳馬からはステイゴールドの他にも活躍馬が多く出ていて、マンハッタンカフェファインモーションがGIに勝ち、ホクトスルタンスマートロビンはともに翌年の目黒記念を制している。

歴史

1987年以前はダート1500メートル牝馬限定の別定戦として施行されていた。1988年は1800メートルに距離を延長し、1989年は札幌競馬場の改修(芝コース新設)のため函館競馬場で芝1800メートルの競走として施行された。1990年から性別限定がなくなり、芝2000メートルのハンデ戦で行われていたが1992年から別定戦となり、1998年から芝2600メートルの競走として実施されている。

2012年に夏季番組の大幅な変更により休止となったが、2014年より3年ぶりに復活することになった[3]。なお休止の間は「1000万以下条件馬による芝2600メートルの定量戦」としての機能をSTV賞(2010年までは芝1200メートル・2011年は芝1500メートルで施行)が受け継いでいた。

なお、2018年は同時期に「北海道150周年記念」の開催のため、2021年は北海道開催の変則日程によりそれぞれ休止されている[4](なお2021年の同時期に行われる「2勝クラス馬による芝2600メートルの定量戦」としての機能は横津岳特別(函館)が担う)。

歴代優勝馬

コース種別を表記していない距離は、芝コースを表す。

馬齢は2001年以降の表記に統一する。

施行日 競馬場 距離 条件 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
1980年6月29日 札幌 ダート1800m 800万下 チョウコーピート 牝4 1:54.3 山内研二 田中良平 磯田兆弘
1981年7月18日 札幌 ダート1800m 800万下 ヒロノタイフウ 牝4 1:52.5 松田幸春 松田由太郎 伊藤博
1982年7月24日 札幌 ダート1800m 800万下 ファインウーマン 牝3 1:54.2 小谷内秀夫 坪重兵衛 吉田孝
1983年7月24日 札幌 ダート1800m 800万下 ハシベーシック 牝4 1:54.6 栗田伸一 武田文吾 シンザンクラブ
1984年7月22日 札幌 ダート1800m 900万下 ゴーゴークイン 牝3 1:54.3 竹原啓二 松山康久 西田鉄男
1985年7月14日 札幌 ダート1500m 900万下 エバーグレイス 牝5 1:30.9 柴田政人 森安弘昭 古岡秀人
1986年7月20日 札幌 ダート1500m 900万下 マキノハタ 牝4 1:31.8 鹿戸雄一 橋本輝雄 富田正一郎
1987年7月19日 札幌 ダート1500m 900万下 アスコットハマナス 牝3 1:31.7 松田幸春 清水久雄 淀牧場
1988年7月23日 札幌 ダート1800m 900万下 サクラタイム 牝4 1:53.7 田原成貴 内藤一雄 さくらコマース
1989年7月23日 函館 1800m 900万下 レディゴシップ 牝3 1:46.7 的場均 尾形充弘 社台レースホース
1990年7月21日 札幌 2000m 900万下 カチウマホーク 牡4 2:01.3 的場均 柄崎義信 島崎龍五郎
1991年7月20日 札幌 2000m 900万下 ナショナルフラッグ 牝5 2:02.1 南井克巳 工藤嘉見 社台レースホース
1992年7月25日 札幌 2000m 900万下 ヒガシマジョルカ 牝4 2:03.1 的場均 尾形充弘 ヤナガワ牧場
1993年7月24日 札幌 2000m 900万下 カネヒュウガ 牡4 2:00.7 的場均 阿部新生 金指利明
1994年7月24日 札幌 2000m 900万下 ナカミアンデス 騸3 2:02.0 的場均 二ノ宮敬宇 中村美俊
1995年7月22日 札幌 2000m 900万下 タケノアイリス 牝4 2:03.3 本田優 星川薫 武岡大佶
1996年7月20日 札幌 2000m 900万下 ケイエスミラー 牝4 2:01.9 的場均 高橋成忠 高田喜嘉
1997年9月06日 札幌 2000m 900万下 ステイゴールド 牡3 2:02.5 熊沢重文 池江泰郎 社台レースホース
1998年9月13日 札幌 2600m 900万下 アスクファンタジー 牝4 2:47.1 四位洋文 伊藤雄二 廣崎利洋
1999年8月29日 札幌 2600m 900万下 メジロアトラス 騸4 2:44.9 横山賀一 奥平真治 メジロ牧場
2000年8月27日 札幌 2600m 900万下 ローランワンダ 牡5 2:43.9 岡部幸雄 久保田敏夫 斉藤敏博
2001年8月26日 札幌 2600m 1000万下 マンハッタンカフェ 牡3 2:43.1 蛯名正義 小島太 西川清
2002年8月17日 札幌 2600m 1000万下 ファインモーション 牝3 2:42.4 松永幹夫 伊藤雄二 伏木田達男
2003年8月30日 札幌 2600m 1000万下 シンコウベルデ 牝5 2:44.5 横山典弘 河野通文 中村徳也
2004年9月04日 札幌 2600m 1000万下 メイショウカチドキ 牡4 2:40.6 四位洋文 伊藤雄二 松本好雄
2005年9月03日 札幌 2600m 1000万下 コマノハイ 牡3 2:44.1 蛯名正義 鮫島一歩 長谷川芳信
2006年8月26日 札幌 2600m 1000万下 トレオウオブキング 牡5 2:44.0 岩田康誠 清水英克 アローネットサービス
2007年8月25日 札幌 2600m 1000万下 ホクトスルタン 牡3 2:42.3 横山典弘 庄野靖志 布施壽賀子
2008年8月30日 札幌 2600m 1000万下 ハギノプリンセス 牝5 2:43.5 安藤勝己 鮫島一歩 安岡美津子
2009年8月30日 札幌 2600m 1000万下 ポルカマズルカ 牝3 2:43.6 丸田恭介 畠山吉宏 社台レースホース
2010年8月28日 札幌 2600m 1000万下 シルクオールディー 牡3 2:41.1 四位洋文 昆貢 シルク
2011年8月28日 札幌 2600m 1000万下 スマートロビン 牡3 2:41.5 福永祐一 松田国英 大川徹
2014年7月27日[5] 札幌 2600m 1000万下 シャンパーニュ 牡3 2:43.5 岩田康誠 加用正 グリーンファーム
2015年8月01日[6] 札幌 2600m 1000万下 ゴッドフロアー 牝5 2:41.3 四位洋文 松永幹夫 広尾レース
2016年7月30日[7] 札幌 2600m 1000万下 カフジプリンス 牡3 2:39.3 福永祐一 矢作芳人 加藤守
2017年7月29日[8] 札幌 2600m 1000万下 ステイパーシスト 牡4 2:40.3 C.ルメール 尾関知人 吉田照哉
2019年7月27日[9] 札幌 2600m 2勝クラス ヒシゲッコウ 牡3 2:39.4 C.ルメール 堀宣行 阿部雅英
2020年8月01日 札幌 2600m 2勝クラス アンティシペイト 牡3 2:40.1 武豊 国枝栄 G1レーシング
2022年7月30日[10] 札幌 2600m 2勝クラス マリノアズラ 牝4 2:41.1 横山武史 小手川準 矢野まり子
2023年7月30日[11] 札幌 2600m 2勝クラス ナイトインロンドン 牡3 2:39.4 和田竜二 大竹正博 窪田芳郎
2024年7月28日[12] 札幌 2600m 2勝クラス アスターブジエ 牡4 2:40.9 西村淳也 中竹和也 加藤久枝

その他

脚注

  1. ^ 特別レース名解説 1回 札幌競馬”. 日本中央競馬会 (2011年). 2012年9月1日閲覧。
  2. ^ 第1回 札幌競馬 第6日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6 (2011年8月28日). 2012年9月1日閲覧。
  3. ^ 平成26年第1回札幌競馬番組(PDFファイル) - 日本中央競馬会、2014年4月13日閲覧
  4. ^ 平成30年1回札幌競馬番組日本中央競馬会、2018年4月8日閲覧
  5. ^ 2014年レース結果 - スポーツナビ、2014年7月27日閲覧
  6. ^ 2015年レース結果 - スポーツナビ、2015年8月1日閲覧
  7. ^ 2016年レース結果 - スポーツナビ、2016年7月31日閲覧
  8. ^ 2017年レース結果 - スポーツナビ、2017年7月29日閲覧
  9. ^ 2019年レース結果”. スポーツナビ (2019年7月27日). 2019年7月28日閲覧。
  10. ^ 2022年阿寒湖特別”. スポーツナビ (2022年7月30日). 2022年7月30日閲覧。
  11. ^ 2023年阿寒湖特別スポーツナビ、2023年7月30日閲覧
  12. ^ 2024年阿寒湖特別”. スポーツナビ (2024年7月28日). 2024年7月28日閲覧。
  13. ^ 小寺雄司 (2011年5月15日). “レース展望・予想「3連勝濃厚トレジャーハンター『阿寒湖特別』(ばんえい)」”. オッズパーク. 2012年9月1日閲覧。

各回競走結果の出典

netkeiba.comより(最終閲覧日:2025年6月2日)





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