防衛大学校の棒倒し
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/03 23:44 UTC 版)
防衛大学校において、棒倒しは、1954年(昭和29年。同年7月1日に自衛隊および防衛庁発足に合わせ保安大学校から防衛大学校へ改称)以降、毎年の開校祭において行われ、春のカッター競技、年度末の断郊競技と合わせて3大競技とされている。 競技は各大隊対抗で行われる。棒倒しが、そもそも陸軍士官学校・陸軍航空士官学校・海軍兵学校といった帝国陸軍・帝国海軍の士官養成校で主に行われていた競技であることを継承している。参加者は所属する大隊の名誉をかけ激しく戦い、各大隊毎に緻密な作戦が立てられ、他大隊の練習情報を収集する部隊まで編成される(主に女子学生が行う)ほどである。 参加者は各大隊の精鋭150名であり、攻撃部隊、防御部隊に分けられる。ルールは至って簡単で、まず棒が競技場内に描かれた円の中に設置される。防御部隊はその円内でのみ行動ができる。試合開始の合図と共に双方の攻撃部隊は相手方の棒に攻撃をかけ、2分以内に相手方の棒を先に倒せば勝利となる(棒が3秒間30度倒れた時点で倒れたとみなされる)。 攻撃役は上着に各大隊のカラー(赤・青・緑・橙)に染められたシャツを着用、防御役は白のシャツを着用する。試合開始前には、体育学教室の教官(幹部自衛官)や助教(曹)らの下、人員の点呼が行われ、彼らにより爪が伸びていないかなどの安全点検がなされる。また空手道部やボクシング部などの打撃系校友会(クラブ活動)の学生は攻撃部隊に参加できない。優勝大隊には「棒倒し優勝大隊」と記された看板、優勝旗、優勝カップなどが授与され、学生宿舎に飾られる。 各大隊は勝利のため部隊をさまざまなパートに分けて態勢を整えている。その編成は大隊によってさまざまであるが、一例を以下に記す。 攻撃部隊スクラム - スクラムを組んで棒に突進する、また突攻の踏み台となる 突攻 - 跳びついて棒を倒す 遊撃 - 攻撃全般支援 防御部隊棒持ち - 棒を支え続け倒れないようにする 上乗り - 棒の上に乗り、跳んでくる突攻を蹴り落とす サークル - 棒を囲んで守る キラー - 攻めてくる敵を妨害する イージス - 能動的に機動しスクラムを無効化する防御系スクラム、イージスシステムにちなむ なお、2002年に行われた陸上自衛隊北部方面隊創隊50周年記念行事において、札幌ドームで同様の各師団対抗棒倒しが行われた。このときの優勝は第7師団(隷下に主に第11普通科連隊、第71・第72・第73戦車連隊)である。
※この「防衛大学校の棒倒し」の解説は、「棒倒し」の解説の一部です。
「防衛大学校の棒倒し」を含む「棒倒し」の記事については、「棒倒し」の概要を参照ください。
- 防衛大学校の棒倒しのページへのリンク