量的メッセージ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/29 23:35 UTC 版)
著述家のステファン・ヒュー は、利用者が一連のデータや関連グラフから理解または伝達を試みたり、メッセージ伝達の手助けとなるかもしれない8種類の量的メッセージ(quantitative message)について説明した。 時系列: 10 年におよぶ失業率など、ある期間にわたって1変数が捕捉されたもの。傾向を示すのに折れ線グラフが使用される場合がある。 ランキング: 一定期間内の営業部門(各営業担当者が細分カテゴリ)の販売実績順位など、細分カテゴリが昇順または降順でランク付けされるもの。販売担当者全員の比較を示すのに棒グラフが使用される場合がある。 全体に対する部分: 細分カテゴリが全体に対する比率として測定されるもの。円グラフまたは棒グラフが、市場の競合企業によって表される市場シェアなどの比率の比較を表しうる。 偏差: ある期間で幾つかの事業部署に関する実経費と経費予算との比較など、細分カテゴリが参照値と比較されるもの。棒グラフは、実際値と参照値の比較を示すことが可能である。 頻度分布: 株式市場のリターンが 0-10%,11-20%等の区切りに入る年数など、与えられた区切りに対する特定変数の観測数値を示すもの。棒グラフの一種であるヒストグラムがこの分析に使用される場合がある。箱ひげ図が、中央値、四分位点、外れ値など、分布に関する主要な統計の可視化に有用である。 相関: 2つの変数(X,Y)で表される観測値を比較して、同一または逆方向に動く傾向があるかを判断するもの。例えば、月ごとの失業率 (X) とインフレ率 (Y) をサンプルとして捕捉したりする。この情報に対しては散布図が典型的に使用される。 名目比較: 製品コード別の販売数量など、特定の順序(アルファベット順や五十音順など)で細分カテゴリを比較するもの。この比較には棒グラフが使用される場合がある。 地理情報: 自治体別の失業率や建物各階の人数など、地図や配置図にかかわる変数の比較。カルトグラムが典型的に使用されるグラフである。 一連のデータを評価する解析担当者は、上述のメッセージ達やグラフ類型の一部または全部が自分の解析手法および閲覧者側に適切なものであるか否かを考慮した方が良い。データにおける有意な関係性やメッセージを特定させる試行錯誤の工程は、探索的データ解析の一部である。
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