量の次元とはとは? わかりやすく解説

量の次元とは

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/01 04:04 UTC 版)

「量」の記事における「量の次元とは」の解説

一般に同じ種類の量同士の間では和と差の演算が定義でき、結果同じ種類の量になる。異な種類の量同士和や差には意味がない同じ種類の量同士でも異な種類の量同士でも積や商が定義できることがあり、その結果演算した量のどちらとも異な種類の量になる。例え長さ同士の積は面積であり、長さ時間による商は速さである。このように異な種類の量同士の間に特定の関係式成り立つことがあるが、そのような関係式解析次元という概念を使うと簡単になることがある。 量の次元とは、相異なる量の間の関係式から具体数値無視して量の種類とそのべき乗だけに着目した概念である。具体的に定数係数無視した等式として、次元関係式を表す。すなわち、量 q の次元を[ q ]と表せば、以下のようないくつかの次元関係式例示できる。 [面積] = [長さ]2 [体積] = [長さ]3 [速さ] = [長さ][時間]−1 [加速度] = [長さ][時間]−2 [力] = [質量][長さ][時間]−2 [仕事] = [質量][長さ]2[時間]−2 具体数値考慮すれば、例え立方体体積Vと一辺長さaとの関係は、それぞれの単位uV,uLとして、 V/uV = (const)(a/uL)3 となり定数const体積長さの単位の採り方で変わる。例え体積の単位としてL(リットル)を採れば、 1 L = 1,000 cm3 = 0.001 m3 = 61.02 inch3 なので、 V/L = (1/1,000)(a/cm)3 = 1,000(a/m)3 = (1/61.02)(a/inch)3 である。しかし指数3は常に変わらず上記次元関係式単位の採り方によらない。さらにVを直方体三角錐体積とすれば、 V/m3 = abc/m3 V/m3 = (1/6)ah1h2/m3 などとなるが、やはり次元関係式は同じである。つまり次元概念使えば具体数値計算を行うことなく、また単位考慮するともなく相異なる量の間の関係が理解できるのである具体効用には次のようなものがあるが詳細は「次元解析」の項目に詳しい。 等式両辺次元等しか否か確認することで、その等式正しさチェックができる。 見かけ異なる量でも次元等しければ本質的に同等か、強い関係があることが推定できる。 ある未知等式特定のn種類の量 (q1, q2, ..., qn) の全てを含む場合次元のみの関係から等式の形が推定できる。(次元解析の項目に良い具体例がある。) ここで次元等しいというのは、既知次元式を用いていくつかの量を他の量の組み合わせ置換し両辺含まれる量の種類同じにしたとき、各量の指数一致するということである。例えば、 [力積] = [力][時間] = [質量][長さ][時間]−1 = [運動量] となり、力積運動量対応することが次元解析のみから推定でき、実際に力積運動量変換される。ここで力積運動量次元同じだ異な種類の量であることには注目すべきである一般に同じ種類の量ならば次元等しいが、その逆は必ずしも成り立たない。他にも、仕事力のモーメントどちらも[力][長さ]の次元を持つが異な種類の量であり、互いに物理的に変換するということもない。この場合どちらも力と長さの積ではあるのだが、仕事ではその長さは力に平行な方向長さであり、力のモーメントでは力に垂直な方向長さであるという違いがある。

※この「量の次元とは」の解説は、「量」の解説の一部です。
「量の次元とは」を含む「量」の記事については、「量」の概要を参照ください。

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