重粒子線がん治療のメリットと可能性とは? わかりやすく解説

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重粒子線がん治療のメリットと可能性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/10 17:43 UTC 版)

放射線医学総合研究所」の記事における「重粒子線がん治療のメリットと可能性」の解説

2007年当時実際に治療行っている重粒子線がん治療施設は、世界に3か所(放射線医学総合研究所内の重粒子医科学センター病院兵庫県立粒子線医療センタードイツダルムシュタット重イオン研究所)しかなかった。その後スイスフランスイタリアアメリカ中国韓国でも計画進行している。2007年当時で3,200人以上が治療受けていた放医研センター病院は、世界的にも最も進んだ重粒子線医療施設で、2020年時点累計5,400人を超える治療が行われている。 また、世界で4番目、日本国内で3か所目の施設として、群馬大学重粒子線医学研究センター治療開始した。ここでは、巨大な加速器小さくすることに成功しており、今後重粒子線がん治療可能性を、大きく広げるものとして注目集めている。 放医研センター病院では、約65m×120mだった加速器を、約45m×65mと小さくすることに成功。その中に重粒子を最高で光速70%程度速度まで加速する、直経約20mのシンクロトロン加速器と、3つの治療室を持つ。放医研主体となって研究開発進めてきた「普及小型重粒子線照射装置技術第1号」と位置づけられ、群馬大学では群馬県との共同事業として、2010年3月治療開始に至る。 重粒子線がん治療は、正常な組織への放射線障害最小限止め、がんの部位のみを狙い撃ちができ、通常の放射線治療では治癒することが困難な放射線抵抗性のがん」にも威力発揮するとされている。また「切らずにがんを治す治療法で、臓器機能形態温存できることから、治療成績の向上のみでなく、患者の治療後の社会復帰や、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上も期待できる治療法である。 放医研での重粒子線治療治療成績は、5年生存率で見ると、前立腺がん=約95%、手術不能Ⅰ期肺がん=約70%、頭頸部悪性黒色腫=約50%体幹部・進行骨肉腫=約50%再発進行肝がん=約50%-Ⅳ期進行子宮頸がん=約45%などの報告なされている。最も治療の難し骨肉腫では、腫瘍消失した後に正常骨組織再生する例もみられており、従来切除選択肢しかなかったことを考えると、機能維持形態維持可能性見込めると言える重粒子線がん治療通常一度治療につき4回の照射1-5週に渡って行う。外科的治療比較する入院期間が短く苦痛大幅に軽減されることから、肉体的負担軽減されたがん治療法であると言える

※この「重粒子線がん治療のメリットと可能性」の解説は、「放射線医学総合研究所」の解説の一部です。
「重粒子線がん治療のメリットと可能性」を含む「放射線医学総合研究所」の記事については、「放射線医学総合研究所」の概要を参照ください。

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