配布までの経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 00:21 UTC 版)
2020年(令和2年)4月1日に安倍晋三首相は、安倍内閣の新型コロナウイルス感染症対策本部の会合において、当日の議論を踏まえて現状の分析と今後の政府の対策と国民への要望などを語り、そのなかでマスクについての話題も出た。安倍首相の発言は、以下の通り。 政府として生産設備への投資を支援するなど取組を進めてきた結果、電機メーカーのシャープが生産を開始するなど、3月は通常の需要を上回る月6億枚を超える供給を行った。更なる増産支援により、今後は月7億枚を超える供給を確保する見込み。 急激な需要の増加によって依然として店頭では品薄状態が続いているが、全国の医療機関に対しては、先週までに1500万枚のサージカルマスクを配布し、翌週にはさらに追加で1500万枚を配布する予定。 高齢者施設、障害者施設、全国の小学校・中学校向けには布マスクを確保し、順次必要な枚数を配布予定。使い捨てではなく、洗剤を使って洗うことで再利用可能である布マスクは、急激に拡大しているマスク需要に対応する上で極めて有効であると考えてのこと。 5月にかけて更に布マスク1億枚を確保する目途が立ったことから、全国で5000万余りの世帯全てを対象に、日本郵政の全住所配布のシステムを活用して一住所あたり2枚ずつ配布予定。 発案したのは佐伯耕三内閣総理大臣秘書官であると見られており、首相に対して「全国民に布マスクを配れば不安はパッと消えますよ」と進言したとされる。 また3月に北海道の一部地域で実施した使い捨てマスクの全世帯配布が好評だったこともアベノマスク配布への後押しとなった。 経済産業省の浅野大介サービス政策課長が、アベノマスクを企画した理由をFacebookに投稿した。 その要旨は次のとおり。 使い捨てマスクの生産能力には限界があるため、これらを医療機関に優先的に配布し、国民一般は布マスクでしのぎたい。 布マスクを大量生産している会社は今時ないため政府が買い上げる形で発注した。 クラスター感染を避けるために郵送の形にした。 2枚である理由は、世帯平均人数が約2人であり、また2枚を配るのが精いっぱいであるから。 この投稿は批判を浴びてSNSで炎上することとなり、浅野は投稿を削除した。 テレビ東京官邸キャップの篠原裕明は、2020年4月6日に同社のYouTubeチャンネルにおいて、マスク2枚配布の狙いを解説した。その中で立案に関わった関係者から聞いた話として、高齢者が朝からドラッグストアに並んでいるため、働く世代がマスクを買えない状況が続いており、布マスクの配布によりこうした人が並ばなくなれば、働く人がマスクを買えるようになる、これは一種の需要調整である、と説明した。
※この「配布までの経緯」の解説は、「アベノマスク」の解説の一部です。
「配布までの経緯」を含む「アベノマスク」の記事については、「アベノマスク」の概要を参照ください。
- 配布までの経緯のページへのリンク