近年の市場動向
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2010年12月に『エコノミスト』誌がインフレーション補正つきで行った推定によると、これまで最も高額で取引された印刷刊本10冊のうち5冊は『アメリカの鳥類』であった。120部が残存しており、そのうち個人蔵は13部のみである。2000年3月にカタールのシャイフであるサウード・アル=サーニーが『アメリカの鳥類』のフォックス=ビュート・コピーをクリスティーズのオークションにて8,802,500ドルで競り落としたが、これはオークションにおける書籍の最高記録価格となった。2005年12月に綴じられていないプロヴィデンス・アシーニアム・セットが再びニューヨークのクリスティーズで売り出され、約5,600,000ドルで競り落とされた。 2010年12月6日に初版の完全なコピーがロンドンのサザビーズで第2代ヘスケス男爵フレデリック・ファーマー=ヘスケスのコレクションから放出された豪華本・写本・ドローイング販売オークションの際に売りに出され、7,321,250ポンド(約11,500,000ドル)で売れた。落札価格は印刷刊本のオークションとしては世界記録で、ロンドンで活動するアートディーラー、マイケル・トルマッチによるものであり、トルマッチはオークションの間で3人のライバルに競り勝った。オークションを行ったサザビーズが報告した来歴詳細によると、このコピーのもともとの持ち主はダラムのヘンリー・ウィザムであり、ウィザムはオーデュボンの『鳥類の生態』の購読者11番として登録されていた。セットの第1巻には1831年6月24日付のウィザムの妻の贈呈銘がある。ヘスケス卿は1951年7月3日のクリスティーズオークションで7,000ポンド払ってウィザムの子孫からこの本を買った。 2012年1月20日、マンハッタンのクリスティーズのオークションハウスで第4代ポートランド公爵ウィリアム・キャヴェンディッシュ=スコット=ベンティンクの相続人により、初版の完全なコピーが売りに出され、7,900,000ドルで売却された。買った人物は「電話入札したアメリカの蒐集家」とだけ特定されている。この販売の時点で『アメリカの鳥類』は120部が残存していることがわかり、そのうち107部は研究・展示・教育機関の所蔵、13部は個人蔵だった。 その後、1640年刊行の『ベイ詩編書』(Bay Psalm Book)が2013年のサザビーズオークションで14,000,000ドルで落札され、印刷刊本についた価格としてはこれが最高となった。手稿・写本類ではレオナルド・ダ・ヴィンチの手稿である「レスター手稿」(30,800,000ドル)など、さらに高額な本がある。
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