足袋蔵の評価
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2006年(平成18年)から2016年(平成28年)までにNPO法人ぎょうだ足袋蔵ネットワークが実施した「蔵めぐりアンケート」を分析した戸田都生男によれば、足袋蔵の全体的な印象は回答の多い順に「美しい」「個性的」「静的」「地味」とされ、男性より女性の方が全体的に評価が高く、蔵めぐりを「楽しい」「親しみやすい」「心地よい」という印象を抱く傾向がみられた。その理由として、「足袋を女性が作っていた」「和装文化に女性の方が関心が高い」等が挙げられており、足袋蔵のみならずその文化的背景が女性の印象評価に影響したと考えられている。 足袋蔵そのものの印象については、木造蔵、石蔵、土蔵、モルタル蔵、煉瓦蔵、コンクリート蔵の6種それぞれについて、雰囲気や居心地や時代的印象や開放的かといった10項目で調査分析された。その結果、「木」が印象に残ったとする回答が約3割ともっとも多く、「石」「漆喰」「煉瓦」がそれに続いた。行田市の足袋蔵に木造蔵は数少ないが、外観の一部に木材仕上げのものがあること、外観のみ見学できる足袋蔵が多いことの影響もあると思われるものの、木造蔵の印象には「温かい」「居心地が良い」といった肯定的な回答が多くあり、「雰囲気が暗い」「要塞みたい」といった否定的な回答が多かったコンクリート蔵とはあらゆる項目で差がみられた。 2017年(平成29年)8月から12月にかけて、行田市をロケ地として撮影されたテレビドラマ『陸王』の放映前後に分けて行われたアンケート調査では、ドラマをきっかけに足袋蔵を徒歩で巡る観光客が増加し、男性や中年世代に増加傾向がみられた。来訪目的からは、40代においては「足袋蔵の街」に懐古的な印象を抱いた傾向が多く、60代の特に男性からは足袋蔵の多様性に注目する傾向がみられた。
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