資金不足による信用不安の拡散
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/06 08:59 UTC 版)
「イタリヤード」の記事における「資金不足による信用不安の拡散」の解説
資金繰りも多忙化を極めた。1999年10月には35億円のユーロ円建て転換社債の償還のため、その全額を銀行から借り入れたが、業績悪化のために大半は短期借入金で賄わざるを得なくなった。 2000年7月に、15店舗のインショップを展開していたそごうが倒産して売掛金1億円が回収不能となり、この期の経常赤字は9億円に上った。これを重くみた北村は2001年(平成13年)1月に、新規取引先の開拓と新製品の投入を柱とした中期3か年計画「チャレンジ21」を発表。2003年7月期の売上目標を110億円(2000年7月期比45%増)、経常利益目標を5億円に設定した。そして、4月からは北村自身が素材調達や販売先との条件交渉の陣頭指揮を執ることにした。ところが、足元では2001年9月にマイカルが倒産して売掛金3,000万円の焦げ付きが発生。2000年7月期、2001年7月期の2期連続で赤字幅が拡大し、2001年7月期には連結売上高76億円、29億4,300万円の最終赤字に陥り、上場して初めて無配に転落することとなった。 10月1日と10月10日期日の仕入決済資金として4億円をメインバンクの三和銀行に申し込んだが、「新規融資はできません」との一点張りで断られたという。そのため、主要仕入れ先8社に対して仕入債務3億7,000万円の支払延期を受け、かつ10月31日期日の仕入債務3億3,000万円の支払延期を要請しなければならなくなった。9月27日には、全従業員120名の4分の1に当たる30名程度の早期優遇退職募集を発表。翌9月28日には、北村は経営再建に取り組む姿勢を明確にすべく剃髪した姿で、人員削減や在庫圧縮を進めながら外部のデザイナーを起用し、ヤング層を対象とする新ブランドを翌春から販売して早期の黒字化を目指す旨を発表した。 そのような中、有限責任監査法人トーマツがイタリヤードに対する特記事項として「今後の営業活動及び事業資金の調達活動の進展によっては、会社の事業の継続性に重要な影響を及ぼす可能性がある」と記したことが、2001年11月8日付の日本経済新聞朝刊によって明らかになった。これを契機に仕入先が一斉に取引見直しを行い、与信枠を閉鎖。これが倒産の引き金となった。
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