ネイティブスピーカーの数が多い言語の一覧
(話者数の多い言語 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/15 07:56 UTC 版)
これは、ネイティブスピーカーの数が多い言語の一覧(ネイティブスピーカーのかずがおおいげんごのいちらん)である。
方言連続体において言語を区別するための一貫した言語学的基準を考案することは不可能であるため、母語話者の数で順位付けされた人間の言語に関するこのようなランキングはすべて、注意して使用する必要がある[1]。例えば、言語はしばしば相互に理解可能な変種の集合として定義されるが、デンマーク語とノルウェー語の場合のように、大部分が相互に理解可能であっても、独立した国の標準語は別々の言語と見なされることがある[2]。逆に、ドイツ語、イタリア語、英語など、一般に認められている多くの言語には、相互に理解可能ではない変種が含まれている[1]。アラビア語は現代標準アラビア語を中心とした単一の言語と考えられることもあるが、相互に理解不可能な変種を別の言語と考える著者もいる[3]。同様に、中国語は、文化の共有と共通の書き言葉を理由に単一の言語と見なされることがある[4]。官話、呉語、粤語(えつご)など、中国語の様々な方言集団を言語として記述することも一般的であるが、これらの方言集団のそれぞれに、相互に理解不可能な多くの変種が含まれている[5]。
また、話者数の信頼できる話者数を得ることにも困難があり、その数は人口動態や言語交替によって時とともに変動する。地域によっては、信頼できる国勢調査データが存在しない、データが最新でない、国勢調査が話されている言語を記録していない、あるいは曖昧に記録している場合がある。時には、政治的な理由で話者人口が誇張されたり、少数言語の話者数が公用語を優先するために過小報告されたりすることもある[6]。
話者人口による主な言語
エスノローグ (2025年)
エスノローグによると、2025年時点で以下の言語には5000万人以上の第一言語話者がいる[7]。このセクションには、エスノローグがアラビア語、ラフンダー語、ペルシャ語、マレー語、パシュトー語、中国語など、それぞれの変種すべてを包括するマクロランゲージとして識別している項目は含まれていない。
| 言語 | 母語話者数 (百万人) |
語族 | 語派 |
|---|---|---|---|
| 官話 | 990 | シナ・チベット語族 | シナ語派 |
| スペイン語 | 484 | インド・ヨーロッパ語族 | ロマンス諸語 |
| 英語 | 390 | インド・ヨーロッパ語族 | ゲルマン語派 |
| ヒンディー語 | 345 | インド・ヨーロッパ語族 | インド・アーリア語派 |
| ポルトガル語 | 250 | インド・ヨーロッパ語族 | ロマンス諸語 |
| ベンガル語 | 242 | インド・ヨーロッパ語族 | インド・アーリア語派 |
| ロシア語 | 145 | インド・ヨーロッパ語族 | バルト・スラブ語派 |
| 日本語 | 124 | 日琉語族 | N/A |
| 西パンジャーブ語 | 90 | インド・ヨーロッパ語族 | インド・アーリア語派 |
| ベトナム語 | 86 | オーストロアジア語族 | ベト・ムオン語群 |
| 粤語 | 85 | シナ・チベット語族 | シナ語派 |
| トルコ語 | 85 | テュルク諸語 | オグズ語群 |
| エジプト・アラビア語 | 84 | アフロ・アジア語族 | セム語派 |
| 呉語 | 83 | シナ・チベット語族 | シナ語派 |
| マラーティー語 | 83 | インド・ヨーロッパ語族 | インド・アーリア語派 |
| テルグ語 | 83 | ドラヴィダ語族 | 中南部ドラヴィダ語派 |
| 朝鮮語 | 81 | 朝鮮語族 | N/A |
| タミル語 | 79 | ドラヴィダ語族 | 南部ドラヴィダ語派 |
| ウルドゥー語 | 78 | インド・ヨーロッパ語族 | インド・アーリア語派 |
| 標準ドイツ語 | 76 | インド・ヨーロッパ語族 | ゲルマン語派 |
| インドネシア語 | 75 | オーストロネシア語族 | マラヨ・ポリネシア語派 |
| フランス語 | 74 | インド・ヨーロッパ語族 | ロマンス諸語 |
| ジャワ語 | 69 | オーストロネシア語族 | マラヨ・ポリネシア語派 |
| イラン・ペルシャ語 | 65 | インド・ヨーロッパ語族 | イラン語群 |
| イタリア語 | 63 | インド・ヨーロッパ語族 | ロマンス諸語 |
| ハウサ語 | 58 | アフロ・アジア語族 | チャド語派 |
| グジャラート語 | 58 | インド・ヨーロッパ語族 | インド・アーリア語派 |
| アラビア語レバント方言 | 58 | アフロ・アジア語族 | セム語派 |
| ボージプリー語 | 53 | インド・ヨーロッパ語族 | インド・アーリア語派 |
CIAワールドファクトブック (2018年推定)
CIAワールドファクトブックによると、2018年に最も話されている第一言語は以下の通りであった:[8]
| 言語 | 世界人口に 占める割合 (2018年) |
|---|---|
| 官話 | 12.3% |
| スペイン語 | 6.0% |
| 英語 | 5.1% |
| アラビア語 | 5.1% |
| ヒンディー語 | 3.5% |
| ベンガル語 | 3.3% |
| ポルトガル語 | 3.0% |
| ロシア語 | 2.1% |
| 日本語 | 1.7% |
| 西パンジャーブ語 | 1.3% |
| ジャワ語 | 1.1% |
関連項目
- 総話者数が多い言語の一覧
- 母語手話話者数が多い手話一覧
- 語族の一覧
- 各国の公用語の一覧
- 言語数別の国一覧
- インターネットにおける言語の使用
- ISO 639-3コード一覧
- 言語の一覧
- ヨーロッパの言語話者数一覧
- グローバル言語システム
- 言語多様性指数
- 世界言語
脚注
- ^ a b “Evaluating language statistics: the Ethnologue and beyond”. UNESCO Institute of Statistics. pp. 3–5 (2006年3月31日). 2017年1月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年11月17日閲覧。
- ^ Chambers, J.K.; Trudgill, Peter (1998). Dialectology (2nd ed.). Cambridge University Press. ISBN 978-0-521-59646-6
- ^ Kaye, Alan S.; Rosenhouse, Judith (1997). “Arabic Dialects and Maltese”. In Hetzron, Robert. The Semitic Languages. Routledge. pp. 263–311. ISBN 978-0-415-05767-7
- ^ Norman, Jerry (1988). Chinese. Cambridge University Press. p. 2. ISBN 978-0-521-29653-3
- ^ Norman, Jerry (2003). “The Chinese dialects: phonology”. The Sino-Tibetan languages. Routledge. pp. 72–83. ISBN 978-0-7007-1129-1
- ^ Crystal, David (1988). The Cambridge Encyclopedia of Language. Cambridge University Press. pp. 286–287. ISBN 978-0-521-26438-9
- ^ a b Statistics, in Ethnologue: Languages of the World (28th ed.). Dallas, Texas: SIL International. (2025) }}
- ^ a b “The World Factbook. People and Society. Languages”. The World Factbook. Central Intelligence Agency (2023年11月29日). 2023年11月30日閲覧。
- ネイティブスピーカーの数が多い言語の一覧のページへのリンク