評判とその後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 06:33 UTC 版)
『野性の呼び声』は、出版された時から非常に人気があった。ヘンリー・ルイス・メンケン(英語版)はロンドンの物語について、「彼の時代のいかなる流行作家も、『野性の呼び声』で見られる以上の良い書き方はしなかった」と、書いている。1903年に『ニューヨーク・タイムズ』のある評論家は、「もしロンドン氏の本が人気にならないのならば、すべての人に明らかに備わっている闘犬への愛を満足させるような完全な方法で、そうさせるべきである」と書いている。『アトランティック・マンスリー(英語版)』の評論家は、学問好きが手にするような本ではないが、「ある種の英雄であるバックが作り達成したのものは、見事な物語というものではまったく無いが、非常に力強い物語である」と書いた。 『野性の呼び声』が出版されると初版10,000部は即日完売した。いまだにアメリカ人作家によって書かれた最もよく知られている小説の一つである。ロンドンの最初の成功となり、それにより彼は生涯を通して持ち続けるリーダーシップを得た。この作品によって、ロンドンの作家としての成功と、アメリカ文壇における彼の作品の重要性が確立した。出版以来、本作品はアメリカ国内で絶版となったことはなく、読まれ、学校で教え続けられている。2011年までに多くの言語に翻訳され、47言語で出版されている。 成功を収めた後の1904年に、ロンドンはマクミラン出版に次の本(『白牙』)を提案する手紙で、バックと逆の過程で野性から飼いならされる犬について執筆したいと書いている。「経過を逆にして、文明を離れて野性化させる代わりに……犬を進歩させて文明化させようとしている」と編集者に対して書いた。 D・W・グリフィスにより『野性の呼び声』は1908年に最初に映画化された。二度目のサイレント映画は1923年である。1935年の映画では、主演にクラーク・ゲーブル (ジョン・ソーントン役)とロレッタ・ヤングが起用され、この原作では最初のトーキーであった。1972年版は、ジョン・ソーントン役としてチャールトン・ヘストンを配し、フィンランドで撮影された。
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