言語による相違
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 02:48 UTC 版)
状態動詞は、言語によって大きな違いがある。例えば、ある言語で状態動詞を用いる意味に他の言語で形容詞(あるいは日本語の形容動詞など)を用いる例は多い。同じ言語で両方の表現が可能な場合(例えば英語differ/different、日本語「痛む」/「痛い」)もある。また英語と日本語で比較した場合、haveは所有・所持を表す状態動詞であるが「持つ」は基本的には取得を表す運動詞(到達動詞)であり、所有・所持を表すには「持っている」という結果相表現が普通である(ただし限定用法(連体形)や否定形としては「持つ」「持たない」とも言う)。knowと「知る」なども同様。「わかる」などは意味に応じて状態動詞(「理解している」の意味)・運動詞(「明らかになる」の意味)の両方として用いられる。動詞と形容詞に形態上の区別がない言語では、形容詞に当たるものが全て状態動詞と言える。
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言語による相違
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/17 21:36 UTC 版)
話題化は、世界の多くの言語で見られる現象だが、言語によって方法や規則・制約が異なる。 英語(SVO型)における話題化は、基本的に構成素の左方移動で行われるが、主に口語では右方転位で話題を示すこともある(#英語における話題化を参照)。英語で話題化移動できるのは構成素のみだとされているため、話題化構文は英語の構成素テストの1つとして利用される。構成素#話題化も参照。 ドイツ語の話題化も左方移動で行われるが、主語以外の名詞句が移動する場合にはアクセントが付加される。 日本語(基本的にSOV型だが自由度が高い)では、構成素またはその一部に話題マーカー(topic marker)を付けるとともに、文頭に移動する。 英語・日本語ともに、複数の構成素を同時に話題化することも可能である。一方、ドイツ語(基本的にSOV型だが自由度が高い)では1度に1つの構成素(またはその一部)しか話題化できない。 スペイン語の基本語順は、単文の多くがそうであることからSVO型だとされる。また、話題マーカーも持たないため、SVO 順で並んでいる文の主語が話題なのかどうか判断しにくい。しかし、目的格の代名詞は動詞の前に来るというSOV型の側面も持っていたり、動詞によって主語との順番が異なることがあるなど、厳密なSVO型だとは言い難い。従属節・関係節・疑問文などでは主語が動詞の後に来ることなどから、同語の基本語順はVOS型だとも考えられ、すると SVO 順になっている単文は話題化構文だという解釈も成り立つ。また、次の例のように、旧情報を示す主語は動詞の前、新情報を示す主語は動詞の後に置かれる傾向がある。 Este libro abarca numerosos temas. この本は多くのテーマを扱っている。 Murió olvidado y pobre el que un tiempo fue famosísimo poeta. かつては非常に有名な詩人だった男は(が)、人々に忘れ去られ困窮の中で死んだ。 話題は旧情報なので、第1例は話題化構文だと考えられる。 スペイン語では、動詞の語尾活用によって主語が示唆されることから、主語人称代名詞が省略されることが多い。そのため、左方転位と話題化構文の見分けが難しい。しかし、次のような文は、多重節の最下層にある目的語を文頭に抜き出していることから、話題化構文だと判断できる。 Muchos libros, resulta que dicen que creen que si que tiene. 英訳: many books happens that say (3-p) that believe (3-p) that yes that has (3-s)→ Many books, it happens that they say that they believe that he does have. 和訳: 多くの 本 なる(3単) と 言う(3複) と 信じる(3複) と はい と 持っている(3単)→ 多くの本は、彼が確かに持っていると 彼らが信じていると 彼らが言っていると いうことに なる。
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