虜囚と解放
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 07:38 UTC 版)
帰途のセドリック一行は、ウィルフレッドを連れていたアイザックとレベッカ親娘が護衛に逃げられ困っているところに行きあい、仕方なく同行させる。ウィルフレッドは馬車の中に寝かせられ、誰にも気付かれなかった。しかしそこにギルベール一行が現れてセドリック達を捕え、豪族レジナルド・フロン・ド・ブーフの城に連れて行かれてしまった。一味のモーリス・ド・ブラシーはふとしたことから馬車の中の人物がウィルフレッドであることを知った。アイヴァンホー領を横領しているレジナルド・フロン・ド・ブーフが知ったら殺してしまうであろうが、騎士道のために黙っていた。一行のうち道化のウォンバと豚飼いのガースは逃れることができた。 セドリックとアセルスタンは一緒の部屋に幽閉された。一方でギルベールはユダヤ娘のレベッカの美しさに惹かれる。モーリス・ド・ブラシーはロウイーナ姫を貰おうと考える。 弓試合の勝者ロックスリーが森の僧の戸を叩いた。ガースとウォンバと出会ったロックスリーはガースを逃がした森の義賊の首領であり、セドリック一行の解放を約束し、その助力を森の僧に頼みに来たのであった。黒い騎士も助力を願い出ると、アウトロー達を集めてフロン・ド・ブーフの城へ押し寄せた。 一方でウォンバは僧の振りをして告解のためにフロン・ド・ブーフの城へ入り込み、セドリックの身代わりとなり、セドリックを脱出させた。セドリックは自分よりもサクソン王家の地を引くアセルスタンを逃がすように言うが、ウォンバは自分の主人はセドリックだと主張し、アセルスタンもセドリックが脱出して救出の手助けをしてくれるように言ったために、セドリックは服を交換して牢を出た。その途中、城の奥にいる老女ウルリカと出会う。老女はセドリックの父の親友の娘であり、その一族がフロン・ド・ブーフの父親に攻め込まれた際に親兄弟を殺され自身は慰み者になっていたのだった。しかし年をとり誰にも顧みられなくなっていた。ウルリカは自分のつらい人生を語り自分のみじめさを訴えるが、セドリックはなぜ隙をみて殺さなかったのかと言い、ウルリカは名誉を取り戻すためにはそれしかないとうなずく。セドリックはそのまま城を出て黒い騎士たちと合流する。 黒い騎士の指揮の下、ロックスリーたちは城攻めを開始した。ギルベールらも奮戦するが、旗色が悪い。モーリス・ド・ブラシーは戦死し、フラン・ド・ブーフはウルリカが城に火を放ったために、逃れられずに焼死した。ギルベールはレベッカを連れて逃げるが、自由の身となったアセルスタンがロウイーナ姫を連れて逃げようとしているのだと勘違いし装備もないまま立ちはだかり、ギルベールに脳天を叩き割られてしまった。 ウィルフレッドは塔の一室にモーリス・ド・ブラシーによって移され、レベッカが看護していた。火が回って危ういところをレベッカはギルベールが連れ出し、ウィルフレッドはとり残されたが、黒い騎士が助け出した。 セドリックはアセルスタンの最期を聞き、助け出したロウイーナ姫を連れてロックスリーと黒い騎士に感謝を伝えた。黒い騎士はこの借りを返してもらうつもりだと言った。
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