藩翰譜とは? わかりやすく解説

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はんかんぷ【藩翰譜】

読み方:はんかんぷ

江戸中期歴史書13巻新井白石著。元禄15年(1702)成立慶長5年1600)から80年間の、諸大名337家の由来事績集録し系図をつけたもの


藩翰譜

読み方:ハンカンフ(hankanfu), ハンカンプ(hankanpu)

江戸時代大名系譜新井白石著。


藩翰譜

読み方:ハンカンフ(hankanfu)

分野 歴史書

年代 江戸中期

作者 新井白石


藩翰譜

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/24 09:02 UTC 版)

藩翰譜』(はんかんふ)は、江戸時代の家伝・系譜書。著者は儒者の新井白石。全12巻。藩譜(はんぷ)の略称でも呼ばれる。

元禄15年(1702年)成立。元禄13年(1700年)、甲府藩主の徳川綱豊の命を受けて編纂したという諸大名337家の由来と事績を集録し、系図をつけたもの。慶長5年(1600年)から延宝8年(1680年)までの内容が収録されている。短時日に完成されたもので事実の誤呈があり、白石自身のちに補訂を加えた。第1巻が親藩(徳川諸家)、2〜6巻までが譜代大名、7〜10巻が外様大名の記述で、以下残りの2巻は廃絶された大名の記録となっている。写本で伝来したので巻次の差異や異本が多い。

藩翰譜の記述内容

藩翰譜の出典だが、本文中に「ある人のいう」「一説にいう」などの伝聞調の記述が見られ、また白石の『折たく柴の記』には、「諸家の事共、尋ね究めて」と記載があり、藩翰譜が伝聞に基づくものであることがわかる。そして他の史料を引用している記述は見られないことから、新井白石が伝聞に基づいて、独自の主観で編纂したものと思われる。家系図においても、『寛政重修諸家譜』で大幅に修正を加えると、ほとんど改修となってしまうと記載されている。とはいえ、文学的価値の観点からとらえれば漢字と平仮名による日本文の様式を確立したもので、和文としての歴史叙述を確かなものとしたともいえ、谷崎潤一郎等が高く評価している。史料としては、幕府正史の『徳川実紀』に大名のエピソードが藩翰譜より多数引用されている。

同種の出版物

藩翰譜続編』(はんかんふぞくへん)は、幕臣の瀬名貞雄や儒者の岡田寒泉らによる著作。題名は『続藩翰譜』とも。延宝8年(1680年)から天明6年(1786年)までの諸大名家の家伝・系譜が収録されている。松平定信の命により寛政元年(1789年)から編纂が開始され、文化3年(1806年)に完成した[1]。なお、瀬名は完成前に没している。

また類似したものに、『寛政重修諸家譜』、『寛永諸家系図伝』などがある。一般に言われる通説や、大名家に残っている家系図と同じとは限らず、比較考証が必要とされる。

各巻の内容

第一 越前松平家尾張徳川家紀州徳川家水戸徳川家保科松平家甲府徳川家館林徳川家
第二 形原松平家深溝松平家能見松平家荻生松平家桜井松平家藤井松平家長沢松平家
第三 水野家久松松平家増山家
第四 上 左衛門尉酒井家本多家井伊家榊原家
第四 中 大久保家石川家鳥居家内藤家植村家安部家渡辺家
第四 下 戸田家牧野家松井松平家三宅家西郷家土岐家、高木家
第五 雅楽頭酒井家土井家阿部家青山家永井家安藤家板倉家井上家、森川家、久世家稲垣家西尾家三浦家米津家伊丹家
第六 奥平家小笠原家岡部家諏訪家土屋家屋代家一色丹羽家山口家加々爪家北条家秋元家稲葉家堀田家太田家朽木家、内田家、柳生家、小堀家
第七 上 池田家浅野家前田家京極家黒田家摂津有馬家山内家堀家
第七 下 伊達家細川家水口加藤家藤堂家森家
第八 上 毛利家島津家鍋島家蜂須賀家
第八 下 上杉家佐竹家岩城家秋田家相馬家児玉丹羽家立花家、新庄家、土方家
第九 上 真田家九鬼家金森家分部家遠山家遠藤家一柳家市橋家、桑山家、仙石家溝口家
第九 下 南部家戸沢家津軽家六郷家水谷家那須家大田原家大関家亀井家日向伊東家中川家肥前有馬家大村家藤姓毛利家
第十 上 臼杵稲葉家脇坂家小出家大洲加藤家谷家木下家相良家秋月家宗家松浦家五島家久留島家
第十 下 織田家建部家片桐家青木家備中伊東家
第十一 松平忠吉武田信吉松平忠輝徳川忠長竹谷松平家安中藩水野家、大須賀家、平岩家本多家(正信の家系)高力家天野家菅沼家玉縄北条家山岡家
小笠原吉次皆川家酒井重澄玉取藩堀家
第十二 上 蒲生家小早川秀秋福島家清正系加藤家、堀尾家、田中家米子藩中村家筒井家里見家生駒家、寺沢家
第十二 下 富田家稲葉家(重通の家系)、徳永家、揖斐藩西尾家古田家、近江山崎家、高取藩本多家松下家高橋家関家杉原家美濃前田家、松倉家、坂崎家戸川家
平岡家、藤田信吉竹中家佐久間家、村上家(頼勝忠勝の家系)、石川家(数正の家系)、日根野家、成田家佐野家滝川家

書籍情報

脚注

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