おりたくしばのき〔をりたくしばのキ〕【折たく柴の記】
折たく柴の記
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/17 12:58 UTC 版)

『折たく柴の記』(おりたくしばのき)は、江戸時代中期に新井白石(1657年(明暦3年) - 1725年(享保10年))が書いた自叙伝[1]、回顧録。3巻3冊。成立は1716年(享保元年)頃と言われる。『折焚柴の記』とも書く。
新井白石は江戸中期の旗本・学者で、将軍徳川家宣期の正徳の治と呼ばれる政治を主導した。
概要
新井白石の自叙伝、回顧録であり、上巻は白石の祖父母や両親の伝記、白石の生い立ちから甲府家出仕までの出来事、中巻と下巻は幕府関係の出来事が中心で、徳川家宣や徳川家継の政治的業績がまとめられている[2]。
また、白石が編纂した諸大名家の系譜諸である『藩翰譜(はんかんふ)』作成のいきさつが記載されている[3][4]。
書名について白石自身は言及していないが[2]、後鳥羽天皇の御製
- 思ひ出づる折りたく柴の夕煙むせぶもうれし忘れ形見に(新古今和歌集巻第八『哀傷歌』)
に由来するとされる[2]。また、序文に「外ざまの人の見るべきものにもあらねば、ことばのつたなきをも、事のわづらはしきをも、えらぶべしやは」とあり、本来は非公開のものとして書かれたものである[2]。新井家に伝わる自筆本のほか、いくつかの写本が現存する[2]。
歴史学のみならず、文学研究では日記文学としての文学性(芸術性)も評価されている[5][6]。
刊行本
- 原典校訂
- 『折たく柴の記』(羽仁五郎 校訂)岩波書店〈岩波文庫 2005-2007〉、1949年 。
- 改訂版『折たく柴の記』岩波文庫、1999年。ISBN 4003021215
- 松村明校注『戴恩記・折たく柴の記・蘭東事始 日本古典文学大系95』岩波書店、1964年
- 宮崎道生『定本折たく柴の記釈義 増訂版』近藤出版社、1985年 。
- 現代語訳
- 英訳
- ジョイス・アクロイド訳 "Told Round a Brushwood Fire: the Autobiography of Arai Hakuseki", 東京大学出版会、1979年
脚注
- ^ 羽仁五郎「まえがき」『折たく柴の記』〈岩波文庫 2005-2007〉1949年、10-12頁 。
- ^ a b c d e 日本古典文学大辞典編集委員会『日本古典文学大辞典 第1巻』岩波書店、1983年10月、525-526頁。
- ^ 「緒言」『新編藩翰譜 第1巻』新人物往来社、1977年 。
- ^ 『折たく柴の記』〈岩波文庫 2005-2007〉1949年、76-77頁 。
- ^ 宗政五十緒「「『折たく柴の記』 新井白石」論(上)」『日本文学』第10巻、日本文学協会、1957年、759-766頁、doi:10.20620/nihonbungaku.6.10_759。
- ^ 宗政五十緒「「『折たく柴の記』新井白石」論(下)」『日本文学』第1巻、日本文学協会、1958年、17-18頁、doi:10.20620/nihonbungaku.7.1_17。
- ^ 「古典日本文学全集 35 江戸随想集」筑摩書房、1961年。新装版「古典日本文学」1977年
- ^ 元版は『日本の名著15 新居白石』中央公論社、1969年
外部リンク
折たく柴の記と同じ種類の言葉
自叙伝に関連する言葉 | 夢酔独言 宇下人言 折たく柴の記 浮生六記 福翁自伝 |
固有名詞の分類
- 折たく柴の記のページへのリンク