英語以外の映画の扱い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 01:32 UTC 版)
「アカデミー賞」の記事における「英語以外の映画の扱い」の解説
アカデミー賞は「米映画の祭典」と銘打ってはいるものの、前記ノミネート条件を満たしていれば、英語音声以外で公開される映画(アメリカ以外の国で製作された映画を含む)であっても作品賞を含む本賞にノミネートされたり、あるいは受賞したりということは可能である。(但し実際には、ハリウッドの関係者が選出するというシステム上、純粋な外国映画はノミネートはされても受賞に至ったことは少ない。) 前記ノミネート条件を満たしていないアメリカ国外制作の非英語作品の場合は、各国の映画産業が映画芸術科学アカデミーに推薦する形で「国際長編映画賞」にエントリーされる。 国際長編映画賞の従来の名称は「外国語映画賞」であり、その最初の表彰は、1947年の第20回で「特別賞」に選出されたイタリア映画の『靴みがき』。もっとも、この時点で「外国語映画賞」という賞は存在せず、前述の「特別賞」の一つという扱いであった。ちなみに『靴みがき』の選出理由は、「敗戦国であるイタリアが、創造精神を駆使して、敗戦の逆境を跳ね返す作品を作り出したこと」であった。 翌年の1948年に「この年にアメリカ国内で公開された、最も優れた外国語映画」という理由付けで、フランス映画『聖バンサン』が「特別外国語映画賞」に選出され、外国語映画賞の母体的な選考理由がここに初めて誕生。以後同選考基準によって、米国内で公開された優れた外国語映画が1本、選出されるようになり、1950年からは「名誉外国語映画賞」という名称で授与された。 特別賞や名誉賞の一つとして行われていた外国語映画の表彰が、「外国語映画賞」という独立したカテゴリとなったのは1956年からで(受賞作はイタリア映画『道』)、同年から各国推薦の作品を5本厳選してノミネートし、うち1本に賞を授与するという、現在のスタイルが完成した。 その後、映画製作の国際化や多様化に伴う情勢の変化を考慮して、第92回(2019年)から名称を現行の「国際長編映画賞」に変更している(選考内容に変化はない)。 一方、アニメーション作品など特定ジャンルの作品は、当該ジャンルの規定に沿った賞の対象となる(アニメーション作品で長編のものなど)が、作品賞を含む他の各賞の条件も満たしていればそれら各賞の選考対象にもなりうる。
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