英語以外の言語における動名詞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/11 21:12 UTC 版)
「動名詞」の記事における「英語以外の言語における動名詞」の解説
英語では動名詞をジェランド(gerund)と呼ぶ。これはラテン語のゲルンディウム(gerundium)に由来する文法用語である。ゲルンディウムは英語と同じく動名詞と訳されるが、用法は異なる。ラテン語の不定法は主格・対格としてのみ使われるため、斜格または前置詞の目的語としてはかわりにゲルンディウムが使われる。 ラテン語にはゲルンディウムとは別に動形容詞(gerundivum ゲルンディーウム、英語: gerundive)という形があり、こちらは動詞から派生した形容詞であって、しばしば「……されるべき」という意味を表すため、受動未来分詞と呼ばれることもある。形態の上ではゲルンディウムとゲルンディーウムは同形である(ただしゲルンディウムには単数形しかなく、主格もない)。ちなみに gerundium という語は、それ自身 gero(運ぶ、実行する)のゲルンディーウムである gerundus に由来する。 ロマンス諸語にはラテン語のゲルンディーウムに由来する名称を持つ準動詞がある(フランス語のジェロンディフ(gérondif)、イタリア語のジェルンディオ(gerundio)、スペイン語のヘルンディオ(gerundio)など)が、これらは分詞構文などで副詞としてのみ用いられ、名詞として用いることはできない。 ドイツ語には英語の動名詞に相当する準動詞は存在しない。英語の動名詞の -ing に相当する -ung の語尾は存在するが使用頻度が低く、また準動詞でなく単なる名詞を形成する。動詞を、動詞としての働きを残しつつ名詞的に用いる場合は原形不定詞やzu不定詞句などを使う。英語で動名詞と同形となる現在分詞は、ドイツ語にも存在する。
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