苫小牧駅 - 岩見沢駅間
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「室蘭本線」の記事における「苫小牧駅 - 岩見沢駅間」の解説
苫小牧 - 岩見沢間栗山 - 栗丘で旧上り線を行く岩見沢行き下り普通列車(2009年1月) 廃止された旧下り線(同区間、2009年1月) 苫小牧駅 - 岩見沢駅間は、かつては内陸部の産炭地から太平洋岸の港まで石炭を運び出すための路線として重要視されており、運炭列車のために重軌条化された複線区間であった。石炭産業が衰退してからは、札幌を通らないことや、栗山駅で接続していた夕張鉄道の廃線に伴い、普通列車のみの運転であり、沼ノ端駅以東では3時間以上間隔の開く時間帯もある。沼ノ端駅で千歳線と直通する列車をのぞき、ワンマン運転である。その一方で、本州・道南方面と道北・道東方面を結ぶ貨物列車や貸切列車は、距離を短縮しつつ運行本数の多い札幌圏を避けられるルートとしてこの区間を活用している。また、一時期は観光シーズンに札幌駅 - 富良野駅を結ぶ臨時列車が新千歳空港駅利用者の便を図り、南千歳駅 -(石勝線)- 追分駅 - 岩見沢駅という経路で運行された事もあった。2021年1月、この区間を介して新千歳空港駅 - 旭川駅に特急列車を運行する構想を、新千歳空港を運営する北海道エアポートとともに検討している事が報じられた。 この区間では、1975年(昭和50年)12月14日に国鉄最後の蒸気機関車牽引による定期旅客列車(室蘭発岩見沢行き、225列車)が運行された。牽引機には鉄道博物館に収蔵されているC57形135号機が充当された。 大部分が複線のままであるが、栗山駅 - 栗丘駅間は1990年(平成2年)4月に下り線のある栗山トンネルの明かり区間の一部が上部の法面と共に崩落したため、そのまま廃止、単線化された。踏切などでレールが撤去されているが、大半は道床・レールともにそのまま残されている。現在使われている新栗山トンネルは、下り線とやや離れた位置に、上り線用の単線トンネルとして1969年(昭和44年)に開通したものである。 志文駅 - 岩見沢駅間は、開通当初からの距離の短い線路(旧旅客線)と、旧・岩見沢操車場を通る1961年(昭和36年)に完成した距離の長い貨物線が、それぞれ双方向運転が可能な単線として併存していた(単線並列区間)。旧旅客線は志文駅からまっすぐ北上して岩見沢駅近傍で旧国道12号(4条通、現道道6号区間)と踏切で交差していたため、同国道及び市内道路交通のボトルネックとなっていた。一方旧貨物線は、志文駅から一旦北西方向へ向きを変え、函館本線上幌向駅近くまで広がっていた操車場の南西端へ向かっていたため岩見沢市街外側の農地を通っており、かつ、国道12号を立体交差で越えていた。市街地の分断解消と市内交通の円滑化を図る目的で、休止中の貨物線を1994年(平成6年)11月に復活のうえ旅客線に転用、本来の線路(旧旅客線)は廃止され、再び単線となった。廃線跡の一部は室蘭本線跡地緑地となっている。
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