色と明るさ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 14:35 UTC 版)
2013年に、初めて太陽系外惑星の「色」が判明したと発表された。太陽系外惑星HD 189733 bのアルベドの最適測定値から、この惑星は濃い青色をしていることが示された。また同年末には、マゼンタ色のおとめ座59番星b(GJ 504 b)や、近くなら赤色に見えると思われるアンドロメダ座κ星bを含む、いくつかの太陽系外惑星の色が求められた。 惑星の見かけの明るさは、観測者からの距離、アルベド、主星の光度と惑星までの距離に依存する主星から受ける光の量によって決まる。そのため主星に近いアルベドの低い惑星は、主星から遠くアルベトの高い惑星よりも明るく見えるかもしれない。 既知の太陽系外惑星の中で幾何アルベドにおいて最も暗いのはホット・ジュピターのTrES-2で、反射率はわずか1%未満であり、これは石炭もしくは黒色のアクリル塗料よりも低い。ホット・ジュピターは、大気中に含まれるナトリウムとカリウムのため暗い色になるとされているが、なぜTrES-2がこれほど暗いのかは分かっておらず、未知の化合物に起因する可能性も示されている。 ガス惑星の場合、金属量または大気温度の増加を妨げる雲がない限り、幾何アルベドはそれに伴い減少する。雲の深さが増加すると光化学でのアルベドは上昇するが、一部の赤外線波長では減少する。一方、年老いた惑星は雲の深度が深いため、時間が経過すると共に光学アルベドは上昇していく。しかし、より質量の大きな惑星は、より深度が深い雲を形成するのに強い重力を有するため、惑星の質量が増すにつれて光学アルベドは減少する。また楕円軌道を描いている惑星は、大気組成に大きな変動を引き起こし、大気に大きな影響を及ぼす可能性がある。 大きなガス惑星もしくは若いガス惑星では、近赤外線波長の反射よりも多くの熱放射が見られる。したがって光学的な明るさは完全に満ち欠けに依存するが、近赤外線では必ずしもそうとは限らない。 ガス惑星の温度は形成からの時間経過、そして主星からの距離が遠くなるにつれて減少する。低くなる温度は雲がなくても光学アルベドを上昇させ、充分に温度が低くなると水の雲が形成され、光学アルベドはさらに上昇する。さらに低い温度ではアンモニアの雲が形成され、ほとんどの光学波長および近赤外線波長で最も高いアルベドが示されるようになる。
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