色と形について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/19 08:50 UTC 版)
ただ、この形の上に色が変わっている。腹背や歩脚の中程から先は灰色から褐色を帯びた色で、細かい毛があってつや消しになっているのに対して、歩脚の基部は赤褐色から紫を帯びてつやが強い。頭胸部も頭部から胸部中央がつや消しの灰色、周辺部は赤褐色でつやがあるという、全身がツートンカラーになっているのである。従って、このクモが歩脚を伸ばした場合、かなり独特の外見となる。 ところが、野外で静止している場合、このクモは歩脚を折り曲げ、それを頭胸部にかぶせて腹部に寄せて集める。すると、つやの強い赤みを帯びた部分は全て内側に隠れてしまい、外からはつや消しの灰色の部分しか見えなくなる。昼間に観察した場合、この姿しか見られない。 腹部背面やや天狗の鼻が長い個体 なお、腹部の形と背面の斑紋は個体差が大きい。背面の斑紋はいずれも地味で灰褐色の地に黒褐色っぽい部分が入り交じる。ただ、中央が黒くて両側に白っぽい斑紋があると、これが何となく人の顔に見える。また、形としては腹部前縁の凹凸の形だが、全体に同じ程度の緩やかな突出部の列になる場合から、中央の突起がはっきり出る場合、両端の突起がはっきりする場合などがあり、時には中央の突起が天狗の鼻のように見える。このクモの名は外法蜘蛛で、このように腹部が天狗に見えることから来たものだという。これらの変異は同一卵嚢から生まれた個体間でもかなりの差があることがある。
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