航空会社による機材計画の見直し
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 03:42 UTC 版)
「ボーイング737 MAXにおける飛行トラブル」の記事における「航空会社による機材計画の見直し」の解説
737MAXを導入する予定であった航空会社においても、機材導入計画の見直しが発生した。 3月18日、ボーイング737-800の後継機としてエアバスA320neoあるいは737MAXの導入を検討しているスカイマーク会長の佐山展生は、Aviation Wireの取材に対して「原因究明できず、370機が止まった状態では(737 MAXを)契約できない」と回答している。また、台湾のファーイースタン航空も発注を見合わせている。 3月24日、インドネシアのガルーダ・インドネシア航空は、「利用客の安全や信頼に対し疑念が残る。安全が最優先だ」との認識を示し、49機あった737 MAX 8の発注を全てキャンセルした。事故後に発注を正式にキャンセルした初めての事例となる。ガルーダ・インドネシア航空は2014年10月に737 MAX 8を50機発注し、2017年秋に1機(PK-GDA)を受領している。 4月6日、エチオピア航空は30機ある737MAXの注文のうち、すでに受領している5機(墜落機含む)を除く25機あった注文を全てキャンセルする方針であると述べた。同社のCEOは、自社がこのトラブルの被害者である事と、同型機が墜落したという汚点が残るとのコメントを述べている。 4月17日、インドのジェットエアウェイズが経営破綻し、保有していた8機を全て失ったうえ、225機のオーダーも全てキャンセルとなった。これにより、ジェットエアウェイズは事実上ガルーダ・インドネシア航空に次いで2番目に737MAXのオーダーを全てキャンセルした航空会社となった。 また6月3日には、アゼルバイジャン航空も、「安全上の懸念」を理由に、10機のMAX 8のオーダーを全てキャンセルした。オーダーキャンセルはガルーダ・インドネシア航空、ジェットエアウェイズに次ぐ3例目となった。 7月9日、サウジアラビアのLCCであるフライアディール(英語版)が、前述の2度の墜落事故や、運航再開の時期が依然として不透明であることを理由に、ボーイングと2018年末から交渉を続けてきた737 MAXの導入契約を撤回し、同型機のライバル機種であるエアバスA320neoを最大50機導入すると発表した。オーダーキャンセルはガルーダ・インドネシア航空、ジェットエアウェイズ、アゼルバイジャン航空に次ぐ4例目となった。 長年国際線向けに老朽化していたMD-82を運用し続けていた台湾のファーイースタン航空(遠東航空)は、2019年中にも737MAXを8機導入する予定だったが、このトラブルで機材繰りの計画が狂ったことと、資金繰りの悪化も重なって2019年12月13日に全路線が運航停止となった。同じく台湾の新興航空会社の星宇航空(スターラックス・エアラインズ)は当初は短距離路線向けに737MAXを検討していたものの、不具合発覚前に発注をエアバスA321へ切り替えていた創業者の張國煒の決断が功を奏し、2020年の運航開始には影響しなかった。
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