舞台子役と深夜労働
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 06:34 UTC 版)
※本節において肩書きはすべて当時。 1939年(昭和14年)、映画法が施行。施行令において未成年の役者は親権者の承諾書を要すること、加えて14歳未満の子役は健康証明書、学校長の意見書を要することとされた。労働時間は16歳未満の子役および子女については深夜撮影(22時-5時)が原則禁止された。 2001年(平成13年)に文化芸術振興基本法が制定されたことに伴い、演劇界はこの規制緩和に積極的に働きかけている。各演劇興行会社が文化庁長官に要望書を提出したり、2003年(平成15年)6月3日には、神奈川県横浜市と日本演劇興行協会が構造改革特別区域の一つとして22時まで延長する「子役特区」を提案した。鴻池祥肇特命担当大臣が「モーニング娘特区」と名付けて実施を目指していたが、坂口力厚生労働大臣は「義務教育を受けるためにも限界がある」と慎重な姿勢を示していた。内閣府で行われた同年9月3日の会談で坂口厚労相が「21時まで認める」と述べ、2004年(平成16年)11月16日の労働政策審議会に対する答申にて、2005年(平成17年)1月1日より全国的に演劇などへの「13歳未満の子役の出演が従来の20時までから21時まで」に延長されることになった。この議論においても、テレビの収録などはこの範囲ではないとの発言もあり、子役や演劇という言葉の示す範囲の曖昧さが指摘されている。 21時までの出演が可能となってからも、世界各国の子役事情と比較し緩和が十分とはいえず、2007年(平成19年)12月4日、日本演劇興行協会より子役出演時間延長の要望書が首相官邸に提出されている。 2008年(平成20年)4月7日、日本外国特派員協会において「児童俳優の舞台時間延長問題を考えるパネル」が開かれ、子供の教育を受ける権利や児童の福祉を考慮した上での舞台子役の育成と保護について論じられた。 2017年(平成29年)には、WOWOWのテレビドラマにおいて、WOWOWの意向でハードワークを課せられた製作陣が、深夜3時から始まる撮影に当時6歳の子役・稲垣来泉を駆り出したうえ、リテイクなどによる徹夜を含む14時間もの撮影を強要した。この案件は、『週刊文春』が3月1日にウェブサイト版「文春オンライン」で、明くる2日に本誌で取り上げ、関係者もその事実を認めたと報じられた。
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