自動交換
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 04:11 UTC 版)
通信需要の増大に対応するため、世界的にダイヤル即時自動化が行われた。回路規模の制約から、一定の桁数のみを解釈しその他の桁の解釈を他の交換機に任せていた。 1880年代に実用化されたステップ・バイ・ステップ交換機で、電話加入区域内通話の自動化が各国で進められた。加入者電話交換機は、加入者番号を解釈して接続するもので、大規模局は4桁、小規模局は3桁が用いられ、交換手呼び出しなど特殊機能を番号の中に割り当てた。自動ダイヤルの区域を拡大するためにダイヤル桁数が拡大され、上位桁を解釈して加入者交換機間を接続する中継タンデム交換機が導入された。 1926年にクロスバー交換機が世界で初めてスウェーデンで使用開始され、各国で市外通話・国際電話の全面即時自動化に利用された。柔軟な中継回線接続が可能で、中継回線の効率的な利用が可能になった。当時の電話網構成は回線・交換設備を有効活用するため、通信量の多い局を直結する網型の斜め回線 (direct circuit) と、上位局と結ぶ星型の基幹回線 (basic circuit) の複合網であった。接続制御は、着信局にもっとも近い斜め回線から使用し、順次遠い回線を使用していた。 当時の階層構造を示す。 アメリカ合衆国・カナダのアナログ電話交換機時代の公衆交換電話網の階層Class略称名称機能1 RC Regional Center Sectional Centerより下位の階層の輻輳で接続できなかったあふれ呼びの接続を行う最終的な階層である。相互間が完全網型接続となっている。 2 SC Sectional Center 州に1または2設置され、州間の接続を行う。 3 PC Primary Center Toll Center間のあふれ呼びの接続を行うとともに、Sectional Centerへ州間接続呼びを中継する。 4 TC Toll Center 中継タンデム交換機であり、加入者交換機間を相互接続するとともに、上位階層や他電話網との接続を行う。 TP Toll Point IP Intermediate Point 5 local exchange 加入者交換機であり、加入者回線接続機能「BORSCHT」を提供する。 end office 1960年代に制御部分がコンピュータ化され、蓄積プログラム方式となったアナログ電子交換機が導入されるようになった。 1968年にITU-Tが共通線信号No.6を勧告した。最大2040回線に対応し、監視信号や選択信号を28ビット固定長の信号ユニットとして、アナログ回線で2400bpsのモデム信号で伝送するものである。交換可能な情報量は増加、ダイヤルインなど付加機能の提供が容易、電話番号全桁が各交換機で解釈可能、電話料金計算システムとオンライン接続、などが実現された。
※この「自動交換」の解説は、「公衆交換電話網」の解説の一部です。
「自動交換」を含む「公衆交換電話網」の記事については、「公衆交換電話網」の概要を参照ください。
- 自動交換のページへのリンク