自動交換内航船舶電話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 17:38 UTC 版)
1979年3月には、250MHz帯を用いた自動交換内航船舶電話が導入され、サービスエリアを日本沿岸全域(沿岸から50~100km)に拡大した。通信中に海岸局を切り替えるハンドオーバー可能な、自動交換方式のものである。音声通信は周波数変調、制御は帯域内トーン信号で行われていた。1981年にはフェリーや鉄道連絡船などの旅客船向けに公衆電話型の「コイン式公衆電話機」が、1988年にはクレジットカードが使える「カード型電話機」も登場した。1993年(平成5年)9月30日にサービス終了。 船舶は自動車と比べ移動速度が遅いためハンドオーバーは自動化されていなかった。 海域を3群に分けた3ゾーン方式を採用したため、2ゾーン方式であった手動交換方式よりも混信が減り、通話品質が大きく改善された。 音声通信は反転秘話回路で処理した後に周波数変調を行い、ダイヤルは特殊送出タイミングのDTMF制御で行う。 着信や発信時、回線切断などの回線制御は低周波信号で行われていた(帯域内トーン信号)。 独特のピロピロ音による低周波信号だったため、まれに口笛やバックノイズで誤動作(回線誤切断)する事もあり、FAXを利用するには船側、着信側に特殊な変換装置が必要であった。 船舶の船舶番号(後述のEFGHの部分)の前に、海域ごとの海域番号(後述のABCDの部分)を付け課金制御を行っていた。電話番号は、0-ABCD-EFGH形式であった。 周波数は、海岸局 253.0375 - 273.7875MHz・船舶局(移動局)268.0375 - 268.7875MHzを25kHz間隔で使用していた。 防衛省ではほぼ同様の自営システムを現在も使用している。
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