脳サルコイドーシス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 10:24 UTC 版)
「サルコイドーシス」の記事における「脳サルコイドーシス」の解説
脳サルコイドーシスの病理所見は硬膜や軟髄膜の肥厚、視床下部、下垂体茎あるいは脳神経周囲にも病変が認められる。非乾酪性肉芽腫性病変であり、肉芽腫性炎症が髄軟膜、脳室、近接する脳実質、脊髄などに認められる。非乾酪性であるが、中心部に線維化を認めることがあり、限局性に壊死を認めることもある。また小血管にも肉芽腫が認められる。通常は類上皮細胞と多核巨細胞が認められる。多核巨細胞はCD68陽性で、細胞体の周囲に核が偏在するラングハンス型の場合もある。サルコイドーシスに特徴的とされるアステロイド小体またはシャウマン小体は必ずしも特異的ではない。真菌や結核が認められないことを組織学的あるいは培養で確認することも重要である。神経系以外のサルコイドーシスが確定していても中枢神経系に同一の病変があるとは限らない。 クリプトコッカス髄膜炎や結核性髄膜炎など他疾患に注意が必要である。
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脳神経障害 脳神経は末梢神経であるため末梢神経サルコイドーシスに分類されることもある。顔面神経、視神経が多く、三叉神経、内耳神経が続く。顔面神経麻痺は小肉芽腫が顔面神経の神経外膜や神経周膜に浸潤することで生じ、軟髄膜の肉芽腫が浸潤することで生じることもある。ベル麻痺は再発や両側の発症は稀であるが、サルコイドーシスでは再発や両側性障害が認められる。なお両側性障害は必ずしも同時発症とは限らない。視神経障害では乳頭炎や球後視神経炎を生じ、眼球内の病変を認めることもある。眼窩に限局性の肉芽腫を生じることもあり、眼球突出や複視を認める。特に外眼筋が障害されることもある。MRIにおいては視神経の肥厚や増強効果が認められる。多くは亜急性に進行し視神経炎に類似する症候を呈する。進行性の視神経萎縮を認めることもある。三叉神経障害では感覚障害や三叉神経痛をおこす。内耳神経障害はしばしば両側性難聴を示す。機序は不明であるが血管炎を生じコルチ器が障害されると推定されている。その他海綿静脈洞の障害なども知られている。 軟髄膜病変 軟髄膜では肉芽腫あるいはそれに関連した血管炎を認める。臨床的には髄膜刺激徴候を認め、特に緩徐進行性の頭痛を認めるが項部硬直は顕著ではない。全身性サルコイドーシスの治療中の生じた軟髄膜病変は神経サルコイドーシスとは限らないため注意が必要である。結核性髄膜炎、真菌性髄膜炎、癌性髄膜炎などの可能性がある。慢性髄膜炎を原因とする急速進行性認知症の報告もある。慢性髄膜炎は治療可能な認知症であるため、これが疑われた場合は、造影MRIと髄液検査で髄膜炎の診断を行い、早期治療が望まれる。 脳実質病変 軟髄膜のサルコイド病変が脳実質へ波及することで単発あるいは多発性の脳実質病変を認める。肉芽腫は脳表から脳実質に入る小血管の周囲腔に沿って脳実質に至ると考えられている。血管自体にも肉芽腫性血管炎や類線維素変異を認めることもあるが多くはない。脳生検などで肉芽腫性血管炎を認めた場合は他疾患との鑑別が難しくなる。頭部MRIでは脳実質病変は3つに分類される。 視床下部-下垂体系の障害 下垂体よりも視床下部の肉芽腫性病変の方が多い。
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