背景及び注目すべき点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/15 04:15 UTC 版)
「Overture (ソフトウェア)」の記事における「背景及び注目すべき点」の解説
楽譜を出版基準で製作する事の複雑さの為、複雑な、若しくは非標準なノーテーションを含むプロフェッショナル品質の楽譜を製作する事が可能な楽譜作成ソフトウェアの開発には、長期に渡る期間が必要である。 1990年代初頭、WYSIWYGによる楽譜作成ソフトウェアは、Coda Music SoftwareのFinaleによって独占されていた。 Finaleは大規模かつ複雑な譜面や、非伝統的なノーテーションを扱う事が出来た。 しかし、その強力さや柔軟性は、ソフトウェア作成のコストへと反映され、同時に、操作モードの多さに起因し、使い方を覚えるのが非常に難しかった。 他の音楽マーキングは、ユーザが最初に選択した適切な編集モードでのみ編集され、Finaleのより最近のバージョンや、その他のプログラムで編集するのとは比較にならないものであった。 同時期、いくつかの楽譜作成ソフトウェアがより直感的なユーザ・インターフェースと共に現れ、その中ではEncoreはもっともポピュラーなものとなった。 この状況、及びこの時期(Macintosh向けのプログラムにより独占されていた時期)の楽譜作成ソフトウェアの、重要な概説がモントリオール大学のアラン・ベルキン教授により発表された。 その他の問題として、楽譜作成ソフトウェアの設計に於けるこれら2つのアプローチの違い、及びそれらのアプローチと関連する問題点を指摘した。 ユーザ・フレンドリでありつつ、複雑かつ非標準な譜面を製作可能な楽譜作成ソフトウェアを製作する取り組みに於いて、Encoreの作者ドン・ウィリアムスはOvertureと呼ばれる新しいプログラムを書いた。 OvertureはEncoreの直感的に設計されたユーザ・フレンドリなインターフェースを元にした。 Overtureは、簡単に使用出来るWYSIWYGの楽譜作成パッケージとしては初めての、非標準形状を持つノートヘッド、五線譜以外の線の様な、非標準ノーテーションを含む、プロフェッショナル品質の楽譜を製作可能なものとして有名である。 Overtureは、(ベロシティ、ピッチ・ベンド及びデュレーションの様な)譜面に現れない全てのMIDIプレイバック・データをコントロール可能な初めての、Macintosh向けの楽譜作成ソフトウェアとしても有名である。 このソフトウェアは、音符をスクロールするピアノ・ロールの中の断片として表示し、マウスにより移動させたり編集したりする事が可能なMIDIデータ編集画面を取り入れた。 譜面を常にWYSIWYGによりページ表示する楽譜作成パッケージの、最初の1つでもある。 それ以前の殆どの楽譜作成パッケージは、WYSIWYG表示を備えていなかったり、スクロールする編集画面と、印刷プレビューやいくつかの編集機能の為のページ表示を切り替えて使うものであった。
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