りょくのう‐きん【緑×膿菌】
緑膿菌 [Pseudomonas aeruginosa]
比較的大きな桿菌で、一本の鞭毛を持ち、普通寒天培地などでもよく増殖するが、近年分離される菌は、割と偏平で表面のガサガサした感じのラフ型の集落を作る。色素産生性があり、臨床分離株ではピオシアニンと呼ばれる緑色の色素とピオベルジンと呼ばれる蛍光色素を産生し、その他にも、オレンジの色素やピンクの色素を産生する株もある。
緑膿菌という名前は、創傷感染すると、この菌が増殖して傷口から緑色の膿が出てくることから付けられた。
緑膿菌とその仲間の細菌は、病院などで多く使用されているヒビテンなどの消毒薬やある種の化学療法剤に先天的に抵抗性がある。最近更に薬剤耐性性の細菌が増加しているが、元々自然界にも広く分布し、栄養分の乏しい環境でも生存出来るので、病院などのように感染症の予防や治療の為に消毒薬や化学療法剤を大量に使用している所でも死滅しないで生き残っている。
病原性は余り強くはないが、カテーテルを挿入されている易感染性宿主などでは、カテーテルのチューブにバイオフィルム(biofilm)と呼ばれる膜を被った菌の集落をつくって増殖し、重篤な院内感染や菌交代症、日和見感染を起こす原因となる。膿菌による感染症は、皮膚の化膿、尿路感染症、肺炎などの呼吸器感染症、目の感染や敗血症などがある。
緑膿菌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/13 01:57 UTC 版)
緑膿菌(りょくのうきん、学名、Pseudomonas aeruginosa)は、細菌に分類される、グラム陰性で好気性の桿菌の1種であり、地球上の環境中に広く分布している代表的な常在菌の1つでもある。ヒトに対しても病原性を持つが、健常者に感染しても発病させることは無い。ただし免疫力の低下した者に感染すると、日和見感染症のうちの1つである緑膿菌感染症を起こす。
- ^ 助川化学株式会社「緑膿菌」
- ^ アズワン「シュードモナス寒天培地ピオシアニン(ベクトン・ディッキンソン)」
- ^ 金沢医科大学 臨床感染症学・感染症科「質問箱」
- ^ a b Hassett D, Cuppoletti J, Trapnell B, Lymar S, Rowe J, Yoon S, Hilliard G, Parvatiyar K, Kamani M, Wozniak D, Hwang S, McDermott T, Ochsner U (2002). “Anaerobic metabolism and quorum sensing by Pseudomonas aeruginosa biofilms in chronically infected cystic fibrosis airways: rethinking antibiotic treatment strategies and drug targets”. Adv Drug Deliv Rev 54 (11): 1425–1443. doi:10.1016/S0169-409X(02)00152-7. PMID 12458153.
緑膿菌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/09 02:12 UTC 版)
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