緊急事態発生後の客室内の様子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 03:58 UTC 版)
「日本航空123便墜落事故」の記事における「緊急事態発生後の客室内の様子」の解説
CVRや生存者の非番女性客室乗務員の証言によれば、客室内は次のような状況だった。 客室では衝撃音が響いた直後、各座席に酸素マスクが下り、プリレコーデッド・アナウンスが流れた。乗客は客室乗務員の指示に従って酸素マスクとシートベルトの着用と、タバコを消す非常時の対応を行った。 生存者によれば、「『パーン』という音と同時に白い霧のようなものが出たが、酸素マスクを着けて前を見たときには霧は既に無かった。数秒で消えた。爆発音発生直後の機内の乗客はパニックした様子は無く、まだ何とかなるんじゃないか、という雰囲気だった」という。 酸素が切れた頃から、機体の揺れが大きくなり、客室乗務員も立っていられないほどになった。18時47分以降は、緊急着陸(水)に備え救命胴衣着用が指示された。その後、乗客は不時着時の衝撃に備え、前席に両手を重ね合わせて頭部を抱え込むようにし、全身を緊張させる姿勢(不時着時の姿勢)をとった。 客室乗務員は乗客に対し機内アナウンスで、「幼児連れの親に子供の抱き方の指示」「身の回りの確認」「予告無しで着陸する場合もある」「地上と交信できている」等と案内していた。事故現場からは殉職した客室乗務員が書いた「不時着後の乗客への指示を列挙したメモ」も見つかった。 乗客の中には最期を覚悟し、不安定な機体の中で懸命に家族への遺書を書き残した者が複数いた。これらの遺書の一部は事故現場から発見された。 また、事故現場からはコンパクトカメラも見つかり、事故発生時の機内の様子を撮影していたことがわかった。現像された写真は警察が刑事事件の証拠資料として保存していたが、公訴時効成立後遺族に返還され、遺族が公開した。 2014年(平成26年)8月12日にフジテレビジョンで放送された特番で紹介された生存女性(夫、長男、長女、次女と搭乗し本人と長女が生還)の手記によると、乗客の幾人かは失神した状態だったという。
※この「緊急事態発生後の客室内の様子」の解説は、「日本航空123便墜落事故」の解説の一部です。
「緊急事態発生後の客室内の様子」を含む「日本航空123便墜落事故」の記事については、「日本航空123便墜落事故」の概要を参照ください。
- 緊急事態発生後の客室内の様子のページへのリンク