紫闇の玉座(本編第17巻・第18巻)
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「彩雲国物語」の記事における「紫闇の玉座(本編第17巻・第18巻)」の解説
上巻あとがきによれば、上巻は「秀麗編」、下巻は「劉輝編」。珠翠と瑠花の暗殺をギリギリで阻止し、縹家の門を全て解放して蝗害への対策を調えた秀麗は、自分が余命幾ばくもない状態だと知りながらも、「自分のため」に縹家を後にすることを決める。そして読み通り旺季が紅州へ発ったことを知った秀麗は、経済封鎖の折に行方不明となった製鉄技術者や紅州産の鉄炭の行方の調査、そして瑠花から聞かされた、暗殺者をよこした黒幕の捕縛を成すべく、次期大巫女・珠翠の協力まで取り付けて、縹家から直接紅州へ向かい、燕青と合流する。一方の劉輝は朝議の時も沈黙して玉座に座す以外に出来ることがなく、彼への信頼は地に堕ちていく一方だった。それでも蘇芳が持ち込んだ貴族録から旺季と自らの血統をたどり、「自分より旺季の方が蒼玄王に近い」ことを知る。羽羽もまた、寿命が近いことを悟りながらもその全力を以て各地の神域を守り、仙洞宮から溢れようとする闇を押しとどめていた。縹瑠花暗殺が一度失敗したため司馬迅は主である旺季の元へ去り、藍楸瑛も王の元へ戻ることを選ぶ。そしてリオウも瑠花から自身と母の素性を知らされ、決意を胸に縹家を出た。同じ頃、貴陽の空に凶兆である赤い妖星が浮かび、貴陽でも大小の地震が頻発していた。紅州で鉄炭や技術者の問題が公になる頃、瑠花は縹家でその命を散らし、茶家の英姫、仙洞省の羽羽とともに、各地の神域を修復するべく人柱となった。だが、後ろ盾であった羽羽が散ったことで、朝廷や地方の貴族派官吏はこぞって旺季につき、悠舜はその本性を明かす。それを受け、劉輝は邵可や白将軍、宋隼凱らの協力の元で貴陽から紅州へ落ちた。しかし護衛の武官が皆離れ、単騎となった劉輝は何故か半月もの間、紫州の隅っこでさまよう羽目に。その後、楸瑛らに見つけ出され何とかたどり着いた紅州で、劉輝は州牧や邵可と策を練る日々を送りながら、縹家の寺に安置された特殊な棺の中で眠る、瑠花に体を貸したことで残り時間があと1日となった秀麗を見守っていた。しかし、ある者によってその棺は貴陽へ運ばれてしまう。同じ頃、劉輝は旺季から届いた会談の申し出にある日時を指定して返信する。そして春、紅州と紫州の境で全てが決着したのだった。
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