箱館政権樹立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 11:06 UTC 版)
12月15日、蝦夷地を平定した旧幕府軍は、箱館政権を樹立。総裁は入れ札(選挙)によって決められ、榎本武揚が総裁となった。榎本は、12月1日に蝦夷地の開拓を求める嘆願書をイギリスおよびフランスの軍艦に託したが、両国公使から嘆願書を受領した右大臣岩倉具視は、12月14日、これを却下した。また、旧幕府軍は、軍事組織を再編成し、来たる新政府軍の攻勢に備えて、江差、松前、鷲ノ木など支配地域の沿岸部に守備隊を配置した。なお、沈没した開陽の乗組員は開拓方となり、開拓奉行となった艦長・澤太郎左衛門とともに室蘭の守備と開拓に充てられている。 なお、旧幕府軍は、軍資金を確保するため、豪商らから御用金を調達したほか、一本木に関所を設け通行税を徴収、さらに貨幣を私鋳したことなどから、箱館住民の評判は良いものではなかった。このため、箱館府にいた村山次郎の下、「遊軍隊」というスパイ組織が作られ、旧幕府軍の市中掛の下役や弁天台場に隊士として潜入した者もいた。 詳細は「蝦夷共和国」を参照 ◇ 旧幕府軍参加諸隊 ◇隊名隊長人員出身配置隊名隊長人員出身配置彰義隊菅沼三五郎 185 幕臣 有川〜福島 新選組森常吉 150 幕臣・諸藩 箱館 小彰義隊渋沢成一郎 54 幕臣(一橋派) 湯の川 会津遊撃隊諏訪常吉 70 会津藩 有川〜福島 遊撃隊伊庭八郎 120 幕臣 松前 額兵隊星恂太郎 252 仙台藩 有川〜福島 陸軍隊春日左衛門 160 幕臣 松前 見国隊二関源治 400 仙台藩 室蘭・箱館 伝習士官隊瀧川充太郎 160 幕臣 箱館 神木隊酒井良助 70 高田藩 (宮古湾) 伝習歩兵隊本多幸七郎 225 幕府歩兵 五稜郭 杜陵隊伊藤善次 75 盛岡藩 五稜郭 衝鋒隊古屋佐久左衛門 400 幕府歩兵 鷲ノ木〜尾札部 砲兵隊関広右衞門 170 幕府砲兵 各地 一聯隊松岡四郎次郎 200 幕府歩兵 江差 工兵隊吉沢勇四郎 70 幕府工兵 五稜郭 その他諸隊(士官付属・事務方など) 100 / 海軍 800
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