第88任務部隊
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1958年4月28日にアメリカ海軍の第88任務部隊(TF-88)は編成された。この第88任務部隊は、アーガス作戦を単独で指揮するために組織されたが、作戦の完了後に部隊は解散し、記録は散り散りになった。記録のうちの幾つかは破棄されたか、数年のうちに失われたが、失われた文書の中のには記録フィルムもあった(そこには実験中の正確な放射線レベルが記録されていた)。米国退役軍人省に寄せられている情報では、第88任務部隊参加者には白血病の発生者が一般平均より高いことが証明されているが、放射線の記録が無くなっていることで、この裏付けを取ることが難しくなっている。 カリタック級水上機母艦ノートン・サウンドは、ミサイル発射の役割を負うと共に、実験に参加するクルーの訓練施設としての役割も果たした。実験で使用するX-17型ミサイルは、この種の実験では使用されたことが無いものであったため、クルーは”ダミー”のミサイルを使用した組み立てと修理の訓練を船内で行った。またノートン・サウンドは、27MHz帯を使用する”COZI”レーダーを搭載しており、これを使用してアメリカ空軍のキャンブリッジ研究所から核爆発の観測と、影響の測定が行われた。 カーティス級水上機母艦アルベマールは、作戦の計画時にはオーバーホール中であったため、作戦部隊のリストには入っていなかったが、作戦実行時には大西洋上に進出していた(これは試運転のためだと思われる)。アルベマールもまた”COZI”レーダーを装備しており、さらに人工イオンの検出装置も搭載していた。 エセックス級航空母艦タラワには作戦の指揮官が乗船し、作戦全般の指揮を執った。タラワはミサイル追跡のため、空軍の”MSQ-1A”レーダーと通信装置を搭載していた。また第32対潜航空隊を搭載しており、実験の科学的観測と写真撮影のほか、実験を秘密裏に行うための哨戒行動も行った。 ギアリング級駆逐艦ワーリントンは、フレッチャー級駆逐艦ビアース、ディーレイ級護衛駆逐艦ハンマーバーグ、そしてディーレイ級護衛駆逐艦コートニーと共に艦隊周囲の気象観測を行なうため、第88任務部隊の西463kmの位置に展開して作戦中の部隊を警護し、駆逐艦としての職務(機密確保、哨戒、及び救助)を果たした。ワーリントンはまた、発射用ロケットの装備の運搬も行った。 ネオショー級給油艦ネオショーは、作戦中に部隊の艦船への給油を行った。またネオショーも、空軍の”MSQ-1A”レーダーを搭載していた。 シマロン級補給艦サラモニーは、部隊に合流する前に米国へ引き返したため、全ての実験に参加しなかった。
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