第2回目報告書
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「ワールド・エアウェイズ30H便大破事故」の記事における「第2回目報告書」の解説
この再検討の結果、請願時の指摘内容が部分的に認められ、第1回目報告書は1985年7月に改定され、パイロットの責任の比重がやや重いものとなった; 接地点はディスプレイスド・スレッシュホールドの奥側2,800フィートだった。 自動スロットル装置を使用した状態で着陸(アプローチからフレア、接地まで)を行ったが、この自動スロットル装置には不具合があり、設定した規定速度をおよそ10ノット超過していた。このため滑走路端における高度は正常だったにもかかわらず接地点が奥へ延びてしまった。そして、パイロットは自動スロットル装置が不調であることを、直前の寄港地であるニューアーク空港へのアプローチ時に気付いていた。 ワールドエアウェイズの内規では、このような天候および滑走路状況下では着陸時の速度を下げるためにフラップ角は50度とすることが推奨されていたが、当該機長は33度で着陸を行った。ただしこのこと自体は、「50度」はあくまで推奨であり、最終判断は操縦士によるものであるとして過失とは認定されなかった。 接地後速やかにスラストリバーサ出力を最大にすべきところを、当該機 DFDR の記録では接地後の機首振れといった制動開始を遅らせる特段の要因がないのに、およそ14ないし17秒後になってようやく最大出力となっていた。また、操縦席ペダルによるブレーキ操作も、ブレーキ圧が最大となったのは主脚接地後19秒経過してからだった。当該機着陸の7分前に同滑走路に着陸成功した同型 (DC-10) 機の記録では、それぞれ9秒(スラストリバーサ)、4ないし5秒(ブレーキ)だった。事故機では、漫然と通常のドライ路面でのそれと同じ制動操作を行っていたと考えられる。 仮に規定通りの対気速度でディスプレイスド・スレッシュホールドの奥2,500フィートに接地し、直前に着陸したNW42便と同等の制動操作を行っていたなら、事故機も滑走路端の直前で停止できていたであろうと結論付けている。
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