第二部 禁断の世界(This World Is Taboo)
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「禁断の世界」の記事における「第二部 禁断の世界(This World Is Taboo)」の解説
惑星「ウィールド3」の近くで通常空間に出た医療船「エスクリプス20」は、宇宙港へ着陸許可を求めた。それに対して相手は、検疫命令書の内容、ここに来るまでの寄港地、トーマルが搭乗しているかの確認など神経質なほどの回答を求めた。ようやく着陸を許され、この惑星が恐れているのは「ブルースキン」という伝染病だと分かった。それは数光年離れた惑星「ダラ」の風土病で、肌に青い斑点が出て死亡する恐ろしい病気らしい。カルフーンは一人の医者を医療船に招き入れ、詳しいことを尋ねた。それによると、ダラは金属資源に恵まれた惑星だが食料生産には不向きなので、ウィールド3に宇宙船でやってきて食料を買いたい、と申し入れたことがあった。ブルースキンを恐れるウィールド3は、艦隊を派遣して宇宙船を追い払い、何年ものあいだダラを封鎖した。封鎖のために艦艇を大規模建造したが、封鎖を解いたあとは艦艇にウィールド3の余剰穀物を積み込んで、惑星の周回軌道に置いてあるという。 ウィールド3の高官たちとの歓迎式典では、大統領の演説の中にさえも、ブルースキンへの憎悪が込められていることにカルフーンは驚いた。そんなところへ、惑星「オレド」から来たと、自動送信を続ける一隻の宇宙船が到着した。オレドは、ウィールド3とダラの中間に位置する惑星で、金の採掘と牛の放牧が細々と行われていた。その宇宙船には船倉の中にまで人間が積み込まれ、空気浄化装置が過負荷で故障したため、全員が窒息で死亡していた。生存者がいないので自動送信していたのだ。大統領はブルースキンの仕業だと言う。その謎を解明すべく、エスクリプス20はオレドへ向かった。超光速航行に入ってすぐ、カルフーンがコーヒーの準備を始めると、いつもは目を輝かせて待っているマーガトロイドの様子がおかしい。船室の方をじっと見つめている。カルフーンは密航者だと直感し、ブラスターを準備して出てくるよう言った。乗っていたのは若い女で、追われているのでオレドへ連れていってほしいと話す。カルフーンは女との会話の内容から、女はダラの出身者と見破り、彼女もそれを認めた。次の日、エスクリプス20はオレドの近くへ着いた。 オレドの地上を呼び出しても何の応答もない。ランディング・グリッドはあるので、知らんぷりをしているようだ。カルフーンは非常用ロケットで、グリッドの近くへエスクリプス20を着陸させた。周りにはおびただしい牛の足跡があり、ところどころに踏み潰された牛の死骸が放置されている。女は初めてマリルと名乗った。船外を調査していると、警告もなくブラスターが撃ち込まれた。カルフーンが応戦すると発煙弾が投げ込まれ、煙を吸うと脈拍数があがり心に動揺を感じた。医療局員なので「パニック・ガス」だと分かる。牛を暴走させたのも、すし詰めの宇宙船でウィールド3へ逃げてきたのも、これが原因に違いない。ブラスターを撃ってきたのは、ここへ牛を捕らえに来ていたダラ人だ。エスクリプス20に戻ったカルフーンたちは、オレドを離れダラに向けて航行を始めた。 ダラの人々は、惑星高官たちも含めてみんな飢餓にあえいでいた。エスクリプス20に積まれていた食糧も供出させられた。カルフーンは、ウィールド3を廻っている余剰穀物を積んだ宇宙船を頂戴することを考えた。もちろん代償として、ウィールド3には金属資源で支払う準備をする。4人のダラ人航行士をエスクリプス20に乗せ、宇宙航行の高等教育をしながらウィールド3を目指した。数日のうちにウィールド3に着いたエスクリプス20。一人前となった4人の航行士は、1人づつ穀物宇宙船に乗り込んでダラに向かった。この計画は成功し、ダラでは一時的に食糧割り当て量が増やされた。続いてカルフーンは、20隻余りの穀物宇宙船を同様に頂戴することにした。これと並行して、ブルースキン病の研究を進めた。カルフーンは、ブルースキンに感染しても肌に青い斑点が出ない事例のあったことに関心があった。
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