第一次ヨーク調査とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 第一次ヨーク調査の意味・解説 

第一次ヨーク調査(1899年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/08 04:08 UTC 版)

シーボーム・ラウントリー」の記事における「第一次ヨーク調査(1899年)」の解説

ラウントリーが、ヨーク貧困調査研究したのは、父であるジョセフ・ラウントリー業績や、ロンドン調査行なったチャールス・ブース業績影響受けてのことであったラウントリーは、ヨーク貧困層の生活状態について、全ての労働者階級世帯対象として訪問する広範な全数調査実施したその結果11,560世帯46,754人の詳細な情報集められた。この調査研究結果から、1901年出版されたのが 『Poverty, A Study of Town Lifeであったその中でラウントリーは、ヨーク裕福な世帯についても調査をして、「健康的生活に要するものを確保できる...ために、それぞれの家族毎週必要とする」最低限金額意味する貧困線 (a poverty line)」を導き出した。この辛うじて生存維持する水準は、光熱費家賃食料衣服世帯個人小物類費用賄う経費相当し世帯規模によって調整された。ラウントリーは、科学的な手法用いて、この水準導き出したが、これは、それまで貧困研究では用いられていないものであった例えば、彼は当時一流栄養学者たち (nutritionists) に助言求めて人々病気になったり、体重減らしたりしないために必要となる、最低限カロリー摂取量や、栄養バランスについても見出そう試みた次いでヨークにおける食料品価格調査し地域で最も安い食料品価格を基に、最低限飲食物英語版)を買い求めるのに必要な金額計算して貧困線定めたこの手法を用いたところ、ヨーク総人口の 27.84% は、貧困線下回る水準生活していることが明らかになった。この結果は、チャールス・ブースによるロンドン調査結果一致するものであり、悲惨な貧困ロンドン特有の現象でありイギリス他の地域には及んでいない、とする、当時一般的であった認識挑戦するものであったラウントリーは、貧困線下回っている貧困層を、その貧困理由によってふたつのグループ分けた一次貧困 (primary poverty) の状態にある世帯は、基本的な生存必要な物資を賄うのに必要な支出見合うだけの収入得ていなかった。二次貧困 (secondary poverty) に分類され世帯は、基本的な生存必要な物資を賄うことが可能な収入ありながら金銭を、飲酒賭博など別の方面消費してしまい、生活に必要な物資を賄えなくなっていた。 調査結果分析において、ラウントリーは、人生のある一定の段階にある人々例えば、高齢者子どもたちは、他の年齢層比べ貧困線より下の深刻な貧困に陥りやすいことを見出した。これを踏まえて彼は、「貧困循環 (poverty cycle)」という考え方定式化したが、これは絶対的貧困 (absolute poverty) に陥ったり、そこから抜け出したりという往還を、人生途上経験する人々もいるということを示すものであったラウントリー主張は、貧困は低すぎる賃金もたらす帰結だとするものであり、伝統的に考えられていた、貧困貧困自身責任があるという見解異を唱えるものであった

※この「第一次ヨーク調査(1899年)」の解説は、「シーボーム・ラウントリー」の解説の一部です。
「第一次ヨーク調査(1899年)」を含む「シーボーム・ラウントリー」の記事については、「シーボーム・ラウントリー」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「第一次ヨーク調査」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「第一次ヨーク調査」の関連用語

第一次ヨーク調査のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



第一次ヨーク調査のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのシーボーム・ラウントリー (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS