竜丘分館
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竜丘分館は、飯田市桐林505の竜丘公民館1階にある。その起源は1920年(大正9年)創立の竜丘文庫であり、青年会が設立したものである。開館日時は、水曜日と日曜日の13時から17時まで、土曜日の10時から17時までである。2017年(平成29年)度の利用登録者数は516人、貸出冊数は17,180冊である。ISILはJP-1001666。 下伊那郡竜丘村は、キリスト教と仏教の影響が強いという特徴的な村であり、竜丘小学校では自由教育を郡内でいち早く取り入れていた。自由教育を受けて育った青年は宗教を基盤とする自由主義・人道主義の傾向を持ち、他の町村が社会主義運動に傾倒していく中でも独自路線を貫いていた。1920年(大正9年)9月、竜丘村の青年らは竜丘小学校内に竜丘文庫を設立し、青年会が運営に当たった。1927年(昭和2年)には竜丘処女会文庫も発足した。そして1929年(昭和4年)2月1日、竜丘文庫と竜丘処女会文庫を統合して竜丘図書館が開館した。竜丘図書館は青年会・処女会・補習学校・小学校が村と共同で経営する形を採り、実業補習学校の校長が館長を務めていた。管理の実権は青年会が握っており、45人の図書係員が業務を担当した。1935年(昭和10年)の開館日数は73日、蔵書数は2,751冊であったが、図書館経費は254円とあまり多くなかった。この頃、よく読まれた図書は大衆小説のほか、レフ・トルストイ、倉田百三、フリードリヒ・ニーチェ(『ツァラトゥストラはかく語りき』)ら自由主義・人道主義的な作家の作品であった。 1937年(昭和12年)1月26日、村立図書館に移行し、1944年(昭和19年)12月20日には県立長野図書館長の乙部泉三郎を招待して読書講習会を開催した。1948年(昭和23年)、公民館の発足によりその図書部となり、1949年(昭和24年)7月に旧・竜丘電気組合事務所を買収して図書館とした。1956年(昭和31年)9月30日、竜丘村が飯田市と合併したことにより、市立飯田図書館竜丘分館となる。1976年(昭和51年)4月1日には公民館の新築に伴い同館内に移転し、2001年(平成13年)5月5日に竜丘分館を核とする新しい竜丘公民館へ移行した。
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