税金の漏洩
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 08:30 UTC 版)
VTB本体は旧ナロードニキのVTBキャピタルと連携していたが、2009年初めに元ロイズ本部を買い取って百人以上の従業員を確保した。世界金融危機がロシアを直撃した。夏にVTB は260億ルーブル(8.12億ドル相当)の債務超過に陥っていた。そこへ政府が比較的余裕のあるVTBをして国内企業へ救済融資をさせた。VTBの株価は公開時の23%に暴落した。年末にVTBの対外債務が90億ドルに達し、このうち24億ドルを返済するため税金が投入された。2010年夏までにVTBキャピタルは支店を四つも出した。VTBキャピタルはロシア外債発行の主幹事であり、すぐにロシア企業の株式発行における第一人者ともなった。VTB本体は2010年までに1800億ルーブル(58.4億ドル相当)の税金を投入されていた。この結果、2002年には40から60億ドルであった総資産額が1200億ドルほどに膨張した。また「南下政策」が多くのアジア投資家を振り向かせ、VTBのヘッジファンド依存症は解消された。 2011年、VTBがモスクワ銀行(Bank of Moscow)を敵対的に買収した。モスクワ市に1030億ルーブル(32億ドル)を支払い、モスクワ銀行株の46%に加え支配率を75%まで引き上げる権利を獲得したのである。モスクワ銀行の不良債権は内部者取引で抱えたものということが報道で明らかにされていたため、この買収がロシアの預金保証制度を壊すのではないかと懸念された。 2012年1月19日、ザ・モスクワ・タイムズの報道によると、VTBが140億ドルを市場金利より安く政府保証で調達したいと言い出したので、プーチンが年恒例の会議において問題を自己解決すべきという主旨の罵詈雑言を浴びせた。VTB株価は回復していたが、それでも公開時の半分くらいであった。2月、各人50万ルーブルを上限として個人投資家の購入したVTB株を公開時価格で買い取ることになった。VTBの3/4が連邦所有であり、政府の介入が配当を実現させたことをプーチンは強調した。実に個人投資家の65%が自社株償却に応募し、VTBは総額114億ルーブル(3.85億ドル)を支払った。
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