移植の歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 03:57 UTC 版)
「移植 (ソフトウェア)」の記事における「移植の歴史」の解説
旧来、特に動作環境が異なるコンピュータの多くでは、同じ動作・作業をさせるために、全く別々にプログラムを作成しなければならない場合もあり、ハードウェア構成の差異を吸収してくれるOSやデバイスドライバが無かった時代には、たとえ同一メーカーのコンピュータであっても、機種が異なる場合はプログラムの大半を作り直す作業が必要とされることがあった。 このため、特にPCが普及し始めていた1980年代においては、各ソフトウェアメーカーとも、採算性の上でシェアが狭い機種など、売上が見込めない機種にはソフトウェアの移植を行わないケースも見られた。その一方で、採算さえ取れそうなら、非常に性能の低いPC向けにでさえ、ソフトウェアメーカーは多大なプログラミングテクニックと試行錯誤という労力を費やしてでも、移植ソフトウェアを作り続けた。その結果、日本のPC市場は1980年代末には8ビット御三家と呼ばれる三強と、様々なメーカーからの互換性のあるMSXシリーズによる寡占化傾向が定着していた。 一方情報工学分野でも、様々なコンピュータメーカーから、多種多様な大型・小型を問わず1970年代以降、様々なコンピュータが発売・供給されたが、プラットフォームごとに操作方法が大きく違うことに@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}辟易する利用者も多かった[要出典]。そのような中、マルチユーザー・マルチタスクの思想から生まれたUNIXは広く産官学分野に受け入れられ、様々なコンピュータ上で動作するUNIXの流れを汲むOSが移植された。 また、家庭にあるPC上でも同じOSを使いたいというユーザーもあらわれ、LinuxやFreeBSD等の、PC/AT互換機上で動作するものも開発されてきた。特にLinuxに関しては、家庭用ゲーム機や携帯機器あるいは過去のコンピュータハードウェア等で動作させることが、一部のマニア間で腕試しに競われた結果、Xboxやプレイステーション上でも動作する環境が開発されている[要出典]。 開発環境が大きく異なるにもかかわらず日本国内および世界的にもシェアの大きいiPhone/iPadおよびAndroidに関しては、双方のプラットフォームに対して同時に同質のアプリケーションを展開することは一般的になっている。なおPC向けのアプリケーションをスマートフォンやタブレットデバイス向けにそのまま移植することは、解像度や操作体系(マウスおよびキーボードあるいはタッチスクリーン)などの違いから困難あるいは不可能だが、PCおよびタブレットなどの異なるデバイス間で、Windowsアプリケーションを移植しやすくする開発・実行環境として、Microsoft Windows 8以降にはWindowsランタイムと呼ばれるAPIが搭載されており、Microsoft Windows 8.1およびMicrosoft Windows 10では移植性に関する改善も続けられている。
※この「移植の歴史」の解説は、「移植 (ソフトウェア)」の解説の一部です。
「移植の歴史」を含む「移植 (ソフトウェア)」の記事については、「移植 (ソフトウェア)」の概要を参照ください。
- 移植の歴史のページへのリンク